我がゼミには飛び込み授業(http://goo.gl/2eOoxS)というものを受けています。その学校で一番手のかかるクラスを2時間任せてくれれば、魔法のように変えます、って宣言しているのです。それも現職経験の無い学生がです。多くは院生ですが、学部学生もです。今のところの最短記録は学部3年ですが、今年度入った学部2年生(ゼミに入って1ヶ月半)がやりたいと手を上げました。
こんな大胆なことを公言している教育の研究室は少ないと思います。おそらく、西川ゼミだけかもしれません。手のかかるクラスを2時間で魔法のように変えて見せます!って大言壮語も大概にしろと叱られるかもしれません。しかし、私は全く不安がありません。学生も不安がないから飛び込み授業は奪い合いになります。
でも、当たり前です。「座りなさい、黙りなさい、ノートをとりなさい」という今の授業と、「立ち歩いてもいいよ、相談してもいいよ、でも、一人も見捨てたら駄目だよ」とどちらが簡単ですか?圧倒的に後者です。だから、一定のテクニックに従って行えば、圧倒的に改善するのは100%なんです。
しかし、ここまではテクニックでは出来ます。しかし、テクニックでは乗り越えられない壁があります。
そのクラスに盗癖があり、虚言癖のある子がいたとしたら。そのクラスに短気で直ぐに暴力を振るう子がいたら。そのクラスにサイコパスの子がいたら。・・・・世の中には関われば関わるほど、不快になり、損な相手がいます。そのようなこと関わって一緒に課題を解決することはとても不快で、大変です。このようなクラスにおいて問題を改善し、結果を出すためには「おりあい」をつけて関わり続けてくれる子どもが2割弱は必要なのです。
そのような子どもが生まれ、維持するには、その子が多様な人と折り合いをつけることは得だと確信していなければなりません。そのためには、教師が本気で『学び合い』の学校観と子供観を信じていなければなりません。そのためには「一人も見捨てない」を本気で願っていなければならないのです。
だから、考え方の『学び合い』が必要になるのです。
しかし、最後の一人さえも見捨てない集団にしたとき、最高のパフォーマンスが得られます。だって、集団全体で頭を使った行動が出来ていると言うことを意味しているのですから。