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玉砕せず

 61歳になっても、やんちゃな私ですが、努めて36年間、一度も玉砕はありません。
 高校教師、若手大学教員の時代、「おかしいな」とか「違っている」と憤慨したことはあります。でも、それは私が先輩教師・上司に愚痴を言い、年長者がそれを受け止めて、年長者が闘ってくれたからです。
 私が自分で「おかしいな」とか「違っている」と主張する年齢になった頃です。ま、大多数は交渉ごとです。でも、どうしても許せないことがありました。それは人の人事を軽く考えている人の軽口です。聞き流せばいいのですが、私には出来ませんでした。机をひっくり返す剣幕で場を出ました。私はそれを後悔しません。人様の人事に関わるならば、その人の人生に責任があると思います。だから、全力で守らなければなりません。
 バカな私は正しければ正しいと思いました。でも、その後を考えていませんでした。でも、私の尊敬する先輩教師が丸く押さえ、私の主張を通すようにまとめてくれました。ちなみに、そのとき、怒鳴り合った人とは至極良好な関係です。何故なら、私が踏ん張ったのは我が身の利害では無く、管下の人の利害であることを理解しているからです。ただし、怒ってはいけないことを再確認しました。
 今は、若い人が玉砕したいと思わないように、私自身がゴチャゴチャ言います。ありとあらゆる前例と、法規を知っている私が交渉すると、大抵はそれなりにソフトランディングします。

 私の退職後、誰が担ってくれるか楽しみです。

法2

法には4種類(詳しく分けるともっとありますが)あると言うことです。憲法、法律、政令、省令です。優先順位はこの順番です。それぞれの制定手続きが違います。憲法、法律は学校で習っていると思うので省略します。いずれも国会の審議があります。政令は閣議によって決まります。省令は各省大臣が決めます。つまり、憲法は国民+全国会議員が決め、法は国会議員が決め、政令は内閣(大部分は国会議員)が決め、省令は大臣(つまり文部科学省内で決められます)が決めます。

 公務員として従わなければならないのは、上記の法と教育委員会が定める規則です。

 しかし、通学に学校の責任がある根拠として「独立行政法人日本スポーツ振興センターによる災害共済給付制度」を上げられる人もいます。しかし、これは法ではありません。独立行政法人日本スポーツ振興センターが保証の範囲を広げるのは勝手ですが、独立行政法人日本スポーツ振興センターが教員の仕事の範囲を決める権限はありません。

 法に関して、文部科学省、都道府県教育委員会はちゃんと理解しています。残念ながら、市町村教育委員会、校長が理解でしていないのです。これに関しては結論は出ています。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/079/siryo/__icsFiles/afieldfile/2018/02/09/1401326_3_1.pdf

 登下校の安全の責任は学校にあるでしょうか?

 かなりの教師が学校にあると思っています。だから、登下校の見守りを教師がやっている学校があります。では、何故、学校に責任があると思っているのでしょうか?聞いてみたことがあります。その方は「義務教育だから」とおっしゃったのです。

 しかし、憲法を読み直して欲しい。第二十六条の2項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」とあります。つまり、学校に通わせる義務は国ではなく保護者にあるのです。国の義務は義務教育を無償にすることなのです。

 学校は学校の校地内に関しては管理責任はありますが、一歩外には責任はありません。ただし、逆もあります。学校の登下校の責任は保護者にあるのですから、安全確認のために携帯電話を持たせることを拒否する権利は学校には無いのです。

 教師はちゃんと法を読むべきです。

追伸 仮にある離島にある小中学校が廃校になったとします。もし保護者が「義務教育なんだから島に小中学校を設置する義務がある」と主張しても根拠がないのです。離島の子どもが小中学校に通学できないとしたら、小中学校のある地域に転居する義務があるのです。 ただし、不登校特例校を利用するという道は今はあります。

追伸2 神戸市の教頭試験で筆記を無くすようです。私はとても心配です。というのは教頭試験は教育関係法が中心になっています。もし、それに関する試験がなくなれば、教育関係法を知らない管理職が生まれます。労務関係で失敗すると取り返しのつかないことが起こる可能性があります。そのあたりは神戸市はどう考えているのだろうか、と思います。

会話本

 あることを学ぶには耳学問が一番楽です。何故なら、あることの色々な側面から学べるからです。あたかも私と会話しているように思えるような会話形式の本を用意しました。他の本では分かりにくい、一つの言葉の意味を掘り下げて理解することが出来ます。つまり、西川ゼミのゼミを受けている感覚を得られます。

 

簡単で確実に伸びる学力向上テクニック入門 https://amzn.to/33vTg3Q

クラスと学校が幸せになる『学び合い』入門 https://amzn.to/3mrpG8g

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子どもによる子どものためのICT活用入門 https://amzn.to/3hxy8iv

汎用的能力をつけるアクティブ・ラーニング入門 https://amzn.to/2Rva19z

 

追伸 山本周五郎の小説が読みやすいのは、会話が主な小説だからだと思います。上記の本も1日1冊のペースで読めると思います。

神は細部に宿る

 「神は細部に宿る」という言葉は誤って理解されているように思います。全てに対して細部に拘ることは物理的に不可能です。そして、それに細部に拘れば全体のデザインが崩れてしまいます。

「神は細部に宿る」とは、全体のデザインに影響する細部はどこかを見極められる人だけが出来ることだと思います。

 『学び合い』で学校づくりをしている学校に呼ばれることがあります。1校時で全校のクラスである二十数クラスを参観します。ちらりと教室を見て、小走りで次のクラスに移動します。それを1校時繰り返すのです。終わってから校長室で、各教師のタイプと問題点、各クラスのキーとなる子どもは誰かを書いた一覧表を見せます。大抵はあまりの正確さにビックリされます。そして、何故、それが分かったのかを質問されると、私が見ている「細部」がどこであり、それが何故大事な細部なのかを解説すると納得されます。

 種明かしをすれば、簡単なことです。『学び合い』では実に多くのものが、ちらりと見ただけで分かるのです。「子どもたちのことが奥の奥までわかる見取り入門」(https://amzn.to/3bWXt4m )にはそのあたりを書きました。