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2001-03-28

[]不動産電話セールスの謎 22:45 不動産の電話セールスの謎 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 不動産の電話セールスの謎 - 西川純のメモ 不動産の電話セールスの謎 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 自宅や研究室に、「投資のために東京マンションを買いませんか?」という電話によるセールスが、一時期は頻繁にかかってきました。最初は、相手の話を聞き、興味がないことを繰り返し答えました。ところが、手をかえ、品をかえ説得を続けます。社会心理学にはセールス心理学というものがあり、どのように説得したらいいかの理論があります。興味があったので、その視点で話を聞いてみましたが、その方面のトレーニングは受けていないようです。基本戦略は、とにかく電話を切らせないように、話し続けるという方法のようです。極めて単純な方法ですが、その熱意は脱帽するものがあります。以前、食事中に電話がかかってきたので、切ろうとしました。ところが、とにかく話し続けるものですから、切るに切れません。しようがなく、電話機を床に置き、テレビを見ながら食事を続けました。食後に、「そういえば電話をおきっぱなしだな」と気づき、持ち上げてみてびっくりしました。なんと、受話器からは話し続ける声が聞こえます。かれこれ30分以上も、無言の相手に話し続けていたんです。直ちに切りました。

 それ以降は、電話がかかってきて「マンション」の「ま」が出るかでないかで、「興味がありません」と切るようにしました。あるとき、切った直後に電話がかかり、「何で、内容も聞かずに切るのか?」と食ってかかる人がいました。そこで、どんなに聞いても興味が無いという結果には変わりがありませんと話しました。しかし、食い下がり続けます。そこで、「御社の住所と電話番号を教えてください」と質問すると、「東京の○○区にあります」と曖昧に答えます。「○○区のどこでしょうか?」と聞きますと、向こうから電話を突然切りました。あれだけ頻繁に電話をかけてきたのに、それ以降はその会社から電話がかかってきません。

 なんで、国家公務員教官ごときに不動産セールスをするかが不思議です。大学先生は金持ちのように見る人がいますが、それは誤りです。私立大学ならいざ知らず、国立大学先生は金持ちではありません。公務員の一人にすぎません。わたしの知る範囲では、教授先生給料は、小中高の校長先生レベル助教授先生給料は小中高の先生レベルです(もしくは幾分低いレベル)。貧しくはありませんが、どう考えても「不動産投資しようかな」なんて考えられるレベルではありません。ましてや助手の先生の生活は、かなり厳しいのが現実です。そうであれば、ある程度セールスをやれば、その会社の人も「国立大学先生はだめだ」と気づいてもいいと思うのですが。かなり長い期間、何度も電話を受けました。そのあたりがとても不思議です。