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2002-08-06

[]初めての経験 09:18 初めての経験 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 初めての経験 - 西川純のメモ 初めての経験 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日横浜学会に参加していました。本日学会企画シンポジウムのシンポジストとして発表しました。数百人の前に発表するのは緊張します。私は見かけは度胸がありそうなんですが、実は小心です。新年度、また、夏休み明けの最初の講義も緊張するほどです。胃のあたりが調子が悪いので、ペットボトルお茶を飲み続けました。ところが、それでも駄目だったので、最前列にいたYさんに、シンポジウムの途中ですが小声で「牛乳をかってきて」と頼みました。それを飲んで、やっと落ち着いた次第です。

 シンポジウムでは15分しか時間が与えられていません。そのため、とてもうちの研究室研究を理解してもらえる段階ではありません。その後、参加者より質問を受け付けました。それら方は、うちの研究室の本を読んでおられる方とおぼしき方で、私の発表の真意をくみ取っていただける内容です。ところが、フロアーを見回すと、よく分かってないんじゃないかな~と感じられました。その感じとは、「大変面白い。でもそりゃあ、実験的な状態ではそうかもしれないけど、実際にはそうじゃあないよな~」という感じです。「悔しいな~」と思いました。でも、「本当に実践に役に立つんですよ」といくら大学研究者(私)が言っても、しょうがないな~という諦めることとしました。

 ところが、最後の15分になって院生のKoさんがシンポジウムで手をあげ、司会者に発言を求めました。私としては、「ありゃ、まさか身内である私に対して質問するのかしらん?」とビックリしました。ところが、Koさんは、「西川研のKoです。本日指導教官が大変お世話になりました。」と言ったもんだから、会場に笑いが広がりました(私は心の中で「つかみはばっちり!」と思いました)。その後、「みなさんのお話を聞いていると、学び合いに対して抵抗が強いことが感じられます。私も中学校の教師ですが、学び合いは大事だということは分かるが、でも教師が教え込まなきゃならないとか、それじゃないとテストの点数がとれないとか思っていました。でも西川研究室に入って、3、4ヶ月たって、学び合い意味が分かるようになりました。(略)」と語ってくれました。最初はあっけにとられましたが、ジワジワと嬉しくなりました。だって、現職者(Koさん)が我々の研究室の成果は、現場で実践できると満座の中で保証してくれたんですから。さっきまで感じていた「悔しいな~」という気持ちは吹き飛びました。

 シンポジウムの後で、「学会院生さんに助けられたのは初めてだよ」とKoさんに言ったら、「ここがゴマをする時だと思ったからです」と言われました。でも、私は分かっています。きっとシンポジウムを参加しながら、私と同じような悔しさを感じていたんだと思います。我々の研究成果の有効性を伝えたいんだけど、なかなか伝わらないもどかしさを感じていたんだと思います。だから、手をあげたんです。同志です。