■ [嬉しい]初めての経験
本日は横浜で学会に参加していました。本日は学会企画のシンポジウムのシンポジストとして発表しました。数百人の前に発表するのは緊張します。私は見かけは度胸がありそうなんですが、実は小心です。新年度、また、夏休み明けの最初の講義も緊張するほどです。胃のあたりが調子が悪いので、ペットボトルのお茶を飲み続けました。ところが、それでも駄目だったので、最前列にいたYさんに、シンポジウムの途中ですが小声で「牛乳をかってきて」と頼みました。それを飲んで、やっと落ち着いた次第です。
シンポジウムでは15分しか時間が与えられていません。そのため、とてもうちの研究室の研究を理解してもらえる段階ではありません。その後、参加者より質問を受け付けました。それら方は、うちの研究室の本を読んでおられる方とおぼしき方で、私の発表の真意をくみ取っていただける内容です。ところが、フロアーを見回すと、よく分かってないんじゃないかな~と感じられました。その感じとは、「大変面白い。でもそりゃあ、実験的な状態ではそうかもしれないけど、実際にはそうじゃあないよな~」という感じです。「悔しいな~」と思いました。でも、「本当に実践に役に立つんですよ」といくら大学の研究者(私)が言っても、しょうがないな~という諦めることとしました。
ところが、最後の15分になって院生のKoさんがシンポジウムで手をあげ、司会者に発言を求めました。私としては、「ありゃ、まさか身内である私に対して質問するのかしらん?」とビックリしました。ところが、Koさんは、「西川研のKoです。本日は指導教官が大変お世話になりました。」と言ったもんだから、会場に笑いが広がりました(私は心の中で「つかみはばっちり!」と思いました)。その後、「みなさんのお話を聞いていると、学び合いに対して抵抗が強いことが感じられます。私も中学校の教師ですが、学び合いは大事だということは分かるが、でも教師が教え込まなきゃならないとか、それじゃないとテストの点数がとれないとか思っていました。でも西川研究室に入って、3、4ヶ月たって、学び合いの意味が分かるようになりました。(略)」と語ってくれました。最初はあっけにとられましたが、ジワジワと嬉しくなりました。だって、現職者(Koさん)が我々の研究室の成果は、現場で実践できると満座の中で保証してくれたんですから。さっきまで感じていた「悔しいな~」という気持ちは吹き飛びました。
シンポジウムの後で、「学会で院生さんに助けられたのは初めてだよ」とKoさんに言ったら、「ここがゴマをする時だと思ったからです」と言われました。でも、私は分かっています。きっとシンポジウムを参加しながら、私と同じような悔しさを感じていたんだと思います。我々の研究成果の有効性を伝えたいんだけど、なかなか伝わらないもどかしさを感じていたんだと思います。だから、手をあげたんです。同志です。