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2004-08-04

[]筑波 14:21 筑波 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 筑波 - 西川純のメモ 筑波 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 現在、学会参加のため筑波にきています。私のもともとの専門である理科教育の学会で、毎年参加していました。でも、今年は例年にはないことがありました。それは、現役修士院生さんといっしょではありません。今年の修士2年の方の研究テーマは、「小学校全学年による異学年学習」、「TTによる教師教育」、「ゼミにおける学び合い」ですので理科以外のテーマです。そのため、この学会で発表しません。いつもは修学旅行の引率教師のような立場ですが、ことしはフリーです。そのため、昨日は仲のいい九州の大学教師と飲みました。

 昨日は学会の会議の後、学内を散策しました。自分の出身校で7年間を過ごした場所です。懐かしさを感じますが、同時に、あまりの変化にとまどいます。修了して二十年以上たつため、大学の建物の数が変わっています。以前は野原だったところに巨大な建物が建ち、頭の中にある映像と現実の映像とのギャップを感じます。ところが意外なところに、懐かしさを感じます。その一つがクーラーです。私の修士時代過ごした部屋をのぞくと、そこには窓に取り付けられる小さなクーラーが残っていました。それは、同級生の一人(現在はある県の附属高校の教師をしています)が取り付けたものです。あのクーラーは二十年以上も動いていることになります。今の院生さんは、なぜ、そこに古いクーラーがあるのか理由も知らないでしょうね。もう一つは、トイレに入ったときの臭いです。二十年前と同じ消臭剤を使っているため、当時と全く同じ臭いがします。臭覚は人間のもっとも古い皮質に関わるため、理性を超えた深い感覚を呼び起こします。昨年やったことを今年もやるという、お役所仕事のなせる技だと思いました。

 今日からは学会本番です。しかし、聞きたいと思う発表は数百の発表の中で3つだけです。理由は、私の興味と学会の多くの方の興味のずれです。私は中長期にわたる子どもと教師の姿に興味があります。しかし、学会での発表の多くは、教材、また、文献に向けられています。そして、子どもや教師に注目する研究も、数回の授業を見る程度に限られます。しかし、懐かしい先輩、同輩、後輩に会えます。おそらく、学会では発表を聞くのではなく、廊下で人と雑談をすることが中心となると思います。