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2006-09-26

[]成績が上がらない 22:25 成績が上がらない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 成績が上がらない - 西川純のメモ 成績が上がらない - 西川純のメモ のブックマークコメント


 最近、ある学校に行きました。その学校で、ある先生学び合いをした結果、全員が分からなくなった、とおっしゃいました。私には理解不能の言葉です。だって、授業を受ける前に知っている子が、かならず4、5人はいるはずですから。そこで、そのクラスに行きました。そこで、改めて聞くと、分かった子はやはりいたのですが、「学び合いでも、出来なかった!」と表現するためのレトリックのようです。

 そのクラスを見ると、直ぐに不思議に思いました。それは子どもが殆ど動かないのです。そこで、その先生に「このクラスで成績の良い子どもは誰ですか?」と聞きました。その子を見ていると、殆ど教えておらず、なんか作業をしています。そこで何で教えていないのか?を聞くと、ビックリしました。そのクラスでは、膨大なドリルを与えているそうです。そして、出来る子はそのドリルをこなすので精一杯なそうです。聞きながら、「そりゃ、そんなら学び合いは起こらず、分からない子が生じても無理ないは・・」と思いました。その先生は、授業時間に「3人に教えてください」と指示を与えます。そうすると、子ども達が教えていますが、「ノルマ」が終わると、ドリルに戻ります。その先生は「ドリル」の重要性と、自分自身の指導方法で子どもを分からせた実績を私に語ります。まるで、「塾」のような授業です。

 塾のような指導を完全否定しません。しかし、かならず、問題が二つ生じます。第一に、塾のような指導が合う子どもは、全員ではない、ということです。残念ながら、このことが意識されないようです。第二に、そのような授業では心の成長が「脇」に置かれています。

 こう書くと、その先生を否定しているようですが、その先生の実力はわかります。一言で言えば、「いい先生」です。自分の実践力に自信があり、また、おそらく、その自信を裏打ちするような実績もあるでしょう。でも、その先生と話しながら、実は修士2年のKanさんを思い出しました。Kanさんは実力もあり、自信もあります。おそらく、大学院入学前に、Kanさんの学校に私が行って「学び合い」を話したならば、おそらく同じ反応をしたでしょう。いや、Kanさんだった、大学教師の言いぐさを、バカにしてうまいぐわいにあしらうでしょう。そして、うまい具合におだてて、いい気になっている私を、あとで笑うでしょう。でも、Kanさんに限らず、我が同志各位は同じでしょう。その先生は自分指導法に関して自信がおありになるようです。そして実績もあるのだと思います。でも、私だって、子どもが分かる気の利いた教材・指導法だったら、人に売るほどある!でも、我々同士は、それでは全員分からせられないという、自分の限界も気づいている。

 さてさて、どうするべきなのか・・・