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2007-03-09

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 約1ヶ月半にわたる、群馬県高崎市のY小学校での学部3年生の実践研究が終了しました。大学から遙か離れた学校に、アパートを借りての実践研究、大変だったことだと思います。しかし、それに余りあるものを得たと確信しています。

 昨年の後半に、彼らに問いました。「大学の近くで調査するならばお金はかからない。しかし、あるクラスだけとか、ある教科だけとか、君らが考える授業ではない、という可能性がある。しかし、Y小学校だったら、君らの願いを受け止めてくれるだろう。しかし、そのためにはお金がかかる。どちらを選ぶかは君たちが決めなさい。どちらを選んでも、良い研究は出来るよ」と問いました。彼らは翌日には、Y小学校を選びました。

 彼らから聞く、Y小学校での経験は私の予想を超えるものでした。縁も義理もない学生さんのために、何から何まで誠意を持って対応していただきました。ありがたくて、申し訳なくて、どうしようもありません。以前から学生さんには、「君らには金もない、能力もない、しかし時間はある。受けた恩を返すためには、君らの時間を費やし、Y小学校還元できる成果を出しなさい」と言っています。彼らは本日帰ってきたと思います。おそらくヘトヘトで、上越に帰ってきたら、バタンキューだと思います。来週の月曜日になったら、彼らの自慢話を一杯聞きたい。そして私の言う言葉は、いつもの通り「期待しているよ」です。

 私は誇ります。今この時点で、教育に関わる学部卒業研究において、もっとも臨床的で実践的な研究を行っているのは、我がゼミの5人だと確信します。だって考えてください。一つの小学校先生方に、これこれの授業をやってくださいと、学部生が願います。そして、その授業における子ども達・先生方の姿・つぶやきを記録するために、各クラスごとに数台のヴィデオで記録し、さらに、子ども達一人一人にICレコーダーを渡し記録します。日本大学研究者の中で、そのようなことを実現している人はどれだけいるでしょう。それを学部3年生が享受しています。彼らはダイヤの原石を山ほど持っています。あとは磨くだけです。