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2007-08-03

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 昨日は小牧で講演しました。その前後に、今回の講演をお世話していただいた先生といっぱい話すことができました。さらに、懐が深い管理職の方と話すことができました。その後、直ちに大阪に移動して、Hさんに会いました。夢多く、かつ、実行力のある方です。これまた、楽しい時を感じました。Hさんからは、『学び合い』の奥義書(HPに掲載しています)の30分で読み切れるバージョンが必要だといわれました。小牧での話題も関連していろいろと考えました。

 『学び合い』はテクニックではなく、考え方です。が、それが難しい。

 私は講演では過激に語ります。最近のYzさんのコメントではないですが、旧来の学び合いと誤解されることを避けるために必要なことだと思います。だって、「子どもを信じる」、「学習者相互の学び合い重要だ」、「子どもの活動時間を確保しよう」という我々の主張は、多くの先生方には受け入れやすいものです。が、その反応は「あ~、今のままでいいんだ」、「ちょこっと方法を取り入れるか・・」程度になることは目に見えています。Hさんからは『学び合い』の奥義書の記載は丁寧すぎるとの指摘を受けました。でも、それは上記のようにテクニックとしてとらえられたり、表層で理解されることをおそれるからです。でも、どんなに丁寧に説明しても、考え方を伝えるのは困難です。結局、テクニックでやったときの限界を実際に経験しないと、自分がテクニックレベルで理解しているということを理解できない。そこで考えてみました・・・

 多くの教師が悩んでいることの大部分は、テクニックレベルの『学び合い』で解決できます。「業者テストクラス平均を1割程度上げる」、「気になる子どもの人数が減る」、「おいたてらえるような忙しさが軽減される」等はテクニックレベルの『学び合い』で解決できます。そして、テクニックレベルの『学び合い』だったら、思いっきりノウハウ的に記載できる。それも短くです。例えば、「最初に自信を持って、○○・・・・・と語ってください。授業中は、○○をしないように注意しながら、○○と声をかけてください。その際は、大げさに声を上げ、表情は満面の笑みをたたえてください。その際、子どもは○○という反応をするでしょう。その場合は、○○と・・・」のようにです。想像するだけでも『学び合い』を冒涜し、汚しているような気になりますが、しょうがありません。たしかに、それのレベルでも救われる子どもや教師はいます。このように書けば、3時間程度で『学び合い』もどきは実現できますし、一定の効果を上げることができます。

 が、すぐに限界が見えるでしょう。例えば、気になる子の人数は減少するが皆無にはならない。それ故、その子が気になってしょうがなくなります。成績のよい子が真剣にやったり、遊んだりします。それが影響してクラス全体の達成度が乱高下します。その段階になったとき、「考え方」ということの意味がわかるのだと思います。例えば、我々は「何故学校で学ぶのか」というお説教を大事にします。そして、「全員もれなく」ということを大事にします。それが単なるお題目精神論ではなく、もっとも根幹であることを理解しないと前に進めないことを説明できるのは、この段階です。それ以前に、いくら説明しても、お題目精神論だと理解してしまいます。

でも、そう割り切ってしまえば、それはそれなりに書けます。今度はコテコテのノウハウバージョンの『学び合い』の奥義書を書いてみようと思います。それを書けるまとまった時間はいつとれるか・・・。

 でも、テクニックの『学び合い』で失敗して、それを『学び合い』の失敗だと誤解されるのは、どうしても嫌だな~。でも、でも、テクニックの段階で止まる人もいれば、それを乗り越えられる人もいます。そして、私だってニックニックの『学び合い』の段階だったことがあります。それを乗り越えられるのには、多くの研究の蓄積があったからです。おそらく、テクニックの段階というのは避けられない、一つの段階なのだと思い始めました。ならば、割り切ってしまおうと思い始めました。