■ [嬉しい]次のステージ

本日『子どもが夢中になる課題づくり入門』が第3刷になることが決まりました。嬉しいです。『学び合い』を始める前の人からは、『学び合い』は何?という質問を受けます。ところが『学び合い』を実践しようとする人からは、課題はどうつくるの?という質問を受けます。次のステージに移行しているのですね。http://goo.gl/HA4yys
ちなみに、その次は成績向上に目が行きます。http://goo.gl/L89p6J
■ [大事なこと]本質的なICT

平常の学力を保証し、将来の学力を保証するICTなんて簡単です。子どもたちが携帯を学校に持ってくること、それを授業で使うことを許すことです。これは今までの我がゼミでの学術研究でも明らかですが、もっと簡単に証明できます。全員が持ってなくてもいい。一部でも持って使わせれば簡単です。学生達の行動を見れば自明です。
ま、駄目な理由を挙げるのは容易いことです。でも、その理由に欠けていることは、子どもたちの十年後、二十年後の生活と今を結びつけるビジョンです。それは自分たちの仕事でないと、誰かに丸投げしているのです。
■ [大事なこと]奥義

何度も書いたことですが、何度も書きます。
ある学生がいました。その学生が「先生の理屈は分かるけど、目の前にいる子どもの姿がそうなっていない。だから信じられない」と言いました。そこで私は「子どもたちにちゃんと語れば良い。それだけで変わる。」と言いました。そして、私の飛び込み授業のビデオを見せました。子どもに対してちゃんと語るだけで初対面の子どもが変わるのは一目瞭然です。
最近、子どもたちの前で『学び合い』の語りをしたそうです。そして、子どもが激変するのを経験しました。言葉の力の凄さを知ったでしょう。でも、言葉の力ではなく、願いの強さなのです。
私は本でテクニックを提案しています。多くの優れた教師も様々なテクニックを提案します。それはクラス開きから4週間、長くても3ヶ月は有効でしょう。しかし、教師の腹を見透かす子どもには4週間は長すぎる。そうで無い子どもも3ヶ月は長すぎる。結局、その後に残るのは、教師の「腹」なのです。
だから、子どもに対する願いがあるならば、経験の無い学生でも子どもを動かすことが出来ます。そして、それをサポートする『学び合い』の様々な理論があり、テクニックがあります。
これは誰でも出来ることです。しかし、教師も人の子です。自分の弱さがあります。何よりも、楽したいという気持ちです。任せているつもりが、放任になってしまうことはあります。人の子なのですからしかたがない。そうなると1週間以内に集団が悪化します。子どもの真の姿が出てしまう『学び合い』の場合は如実です。偉そうなことは言えません。私もそうです。
さて、その後です。そのような状態になったときに、心で勝負するか、テクニックに頼るか、そこが分かれ目です。心で勝負すると言うことが『学び合い』の「奥義」です。それを乗り越えた同志ならば、この言葉の意味を分かると思います。全て順調なときに「語る」ことは容易いことです。しかし、上手くいかないとき、自信を失ったときに「語る」には覚悟が必要です。そして、子どもを信じなければなりません。
でも、その奥義を得られるでしょうか?それは自分の語りに対する信頼ではありません。そうあるべきですが、上手くいかなくなるとそうは思えません。大事なのは、テクニックの限界を理解することです。そして、『学び合い』の学校観に立ち上り、今、自分のしていることが「自分の楽」を願っているか、「子どもの将来」を願っているかを自問自答することです。とても辛く、覚悟の必要なことです。これは修羅場を数回乗り越えないと得られない奥義です。