■ [う~ん]お節介
お節介は私の不治の病です。人が悩んでいると、しゃしゃり出て解決したがる性分です。まあ、教師というのは、そういう性分の人がなるものですよね。もちろん、学習者が解決できるものと考えれば、何もしません。しかし、学習者ではどうにもならないこと、それでいて教師だと簡単に解決できることというのは多いものです。
5年ほど前です。学生さんとお茶を飲みながら馬鹿話をしていました。その際、「ね~、なにか困っていることない?」と聞きました。そうすると、学内で携帯電話が繋がりにくいことが困っているとのことでした。不思議だな・・・と思い、直ちに事業者に確認したところ、その事業者もそのことは理解していました。そのため、学内にアンテナをたてたいと希望していたんです。ところが大学側が難色を示していることが分かりました。ただちに大学管理職に直訴したところ、すんなり善処するとのことでした。この間、お茶のみ話から2時間程度のことです。あとで管理職に聞きましたが、原因は学内にアンテナを立てると事業者が大学に料金を払うそうです。そのお金を受け取ることに、事務の方が危惧を感じたそうです。国家機関から独立法人になっても、そのあたりの仕組みは、ゆっくりとした変化なのですね。
最近も、ある教職大学院の受験生の方が、「あること」を悩みました。ところが、関連法規や学内規則を調べると、「ちょこっと」変えれば問題が解決することが分かりました。教職大学院の心優しき先生方は、直ちに合意していただきました。そして、現在も進行形です。私は関係法規、学内規則をよく読みます。よく読むと、悪気無く、学生さんの不利益を生じるものがあります。それに気づけば、学生さんにとっては大幅な利益になるものは山ほどあります。だから、よく読みます。
一昨日、夜飲んでいるとき、上越教育大学に派遣される現職院生さんは、地元大学に派遣される現職院生さんを比較すると、前者に大きなデメリットがあるとのことを聞きました。それによれば、なんと給与が3割カットだそうです。これは大きな問題です。月曜日になり、ただちに関係するチャンネルで、その県の情報収集をしました。その結果、その県からの派遣されている院生さん、その県の県教育委員会義務教育課長、その県の県教育委員会次長から確認を取りましたが、そのような事実はないことが判明しました。ホッとしました。まあ、考えてみれば、教員の当然の権利であり義務である研修によって、給与ベースにデメリットが生じるというのは法規上ありえないことですよね。
教職大学院は新しい組織ですので、誤解も多いようです。今回の受験においても以下のような誤解がありました。
教職大学院は修士論文を書きません。しかし、学校現場で必要となる論理的なレポート、パワーポイントのプレゼン方法の組織的なトレーニングは行います。これは「望む/望まない」に関わらず、教職大学院の必須要件です。また、それを「望む」人は学術論文を書くことが出来ます。私のゼミは本学で最も学術論文の生産量は多く、3人の大学教師を生産しています。おそらく、本学でももっとも学術論文の生産量が多い人たちが教職大学院に集まっていると思います。これは、欧米でも同じです。経済学で最も学術の生産量が高い人たちは、MBAというプロフェッショナルコースの教員です。従って、「望む」ならば、それに関する高度のトレーニングを受けられます。もちろん、修士論文を書かなくてもOKというのはもちろんです。
2) 教育困難校に送り込まれてこき使われる
これを心配している学生さんたちがいると聞いて、教職大学院の教員は、まず唖然として、間があって、大笑いしました。教職大学院では学校現場に中長期にわたって実践を行います。その主題は、その学校に現実にある課題を一緒に解決します。でも、だからといって、教育困難校を選りすぐって入ることはしません。それに入った後は、余裕を持って入れる環境を整えます。そうでなければ現職教員が学校現場に入る意味はありません。余裕もなく入るのだったら、それは大学院に入る前の状態なのですから。大学院では、学校の課題を余裕を持ち、ある意味、岡目八目の立場から関わることが出来るのが利点です。
上越教育大学の教職大学院の教員として言明します。もし、本学教職大学院を受けるに際して、なんらかの不安を生じる情報があれば、どうぞメールしてください。誠意を持って対応いたします。もちろん、匿名でも結構ですよ。