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2008-10-03

[]授業研究 21:52 授業研究 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 授業研究 - 西川純のメモ 授業研究 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、教職大学院の学部卒業のゼミ生の授業をビデオで観ました。

教職大学院のゼミ生は数ヶ月にわたって、じっくりと学校の日常の中にとけ込むような実習を行います。ゼミ生がお世話になっている学校の一つに、とてもお茶目な校長先生がおられます。一斉指導の指導力の高い先生であることは分かります。しかし、ひょんなことから『学び合い』の授業を観たとたんに子どもの変化を見て取られました。そして、学校として『学び合い』を取り組むことを決断されました。それ以来、『学び合い』の可能性を楽しんでいます。私が「あはははは」と笑ってしまうようなことをします。

 この前の日曜日は、その学校の行事です。ゼミ生は、その行事のサポートに行きました。その日に、代休あけの火曜日にその学校のあるクラスの先生が出張です。そこで、いきなりその学生に「授業をやってみな」と言い出しました。それも、小学校算数でも一番大変な割合の部分です。おそらく失敗するであろうことは、校長は折り込みずみだと思います。しかし、それによって子ども達も得るものがあり、また、自分も新たな発見があることを期待してのことだと思います。そのことを事後に私は聞きました。そして、そのゼミ生いわく「撃沈」だったそうです。そこで、直ちに授業検討会をゼミで行いました。現職院生や、つい最近教育実習から戻った学卒院生が観て議論し合っていました。それを聞いて私も勉強になりました。

 私も観ましたが、確かに問題はあります。これは、前に参観した教職大学院のゼミ生の授業と同じです。しかし、直ぐに直るレベルのことばかりです。その一方、根本のところは凄く良いと思います。言葉で説明するのが難しいのですが、感性というものです。あと二回ぐらいやれば、素晴らしい授業が出来ると感じます。

追伸 ちなみに一斉指導の形でやりました。あはははは。

[]しびれたー 21:52 しびれたー - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - しびれたー - 西川純のメモ しびれたー - 西川純のメモ のブックマークコメント

 職業柄、うまい教師の授業を観ることは少なくありません。しかし、十中八九(いや百の内、九十九)は「それほどでもないな~・・・」と思います(私はナルチストです。あはははは)。でも、その私でもうなるような授業をする人がいます。本日、この十年間でおそらく一番、うなるような授業を観ました。

 本日、二年生の先生が出張です。ということで、二年、三年の異学年をすることになりました。上の学校の校長先生が二年生担当です。授業が始まりました。セオリー通りのことが起こりました。つまり、三年生が今までとは全く違う姿を見せ始めました。普段の三年生を知っているので、それを面白く参観しました。しかし、まだ「みんな」は徹底できません。

 授業のまとめの段階です。落ち着きのない二三年生を前にして校長先生がたちました。いつもニコニコしている顔とは違います。私も怖くて逃げ出しそうな怖い顔です。そこでガンガンに「みんな」ではなことを説教しました。子ども達も校長先生が本気で語っていることを感じ、静かになり、そして暗くなりました。が、校長先生が一言、二言、語ると子ども達の雰囲気ががらっと変わります。そして、最後は全員で次回はやるぞーと言う「お~!」の大合唱で終わりです。この間の変化は、本当に一言、二言なんです。しびれました!ガンガンに説教をするまでは、我々がよくやることです。ところが、たった一言、二言で変えるところは凄いと思います。

 もちろん、表情の使い方、声の使い方、そのような基礎的なテクニックを使っていることはよく分かっています。しかし、そのテクニックが深い愛情と願いに根ざしているからこそ、そして、子どもを信じられるからこそ、あれを実現できた。子どものおだて方、脅し方、からかい方、しかり方、あおり方・・・これは、一斉指導においても、『学び合い』でも大事なことです。

 私は本日、その校長先生から多くを学ぶことが出来ました。

[]誕生日 17:31 誕生日 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 誕生日 - 西川純のメモ 誕生日 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 本日、ゼミ生の皆さんから誕生日のお祝いをいただきました。私の誕生日は9月14日ですが、ゼミ生の二人以外は教育実習とプロジェクト科目(教職大学院特有の教育実習)で不在だったため本日になったそうです。ダイエット中にケーキを食べ、色紙をいただきました。感謝!

[]何故 17:31 何故 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 何故 - 西川純のメモ 何故 - 西川純のメモ のブックマークコメント

職業柄、私は都道府県のお偉方と話す機会が多いです。その際、中堅教師の人材不足を愚痴られます。話を聞いていると、能力ではなく志がネックだと思います。一人一人の教師の能力に、昔と今とでそんなに違いはないと思います。違いがあるのは、「もっと」を求める気持ちです。自分が、とりあえず授業をするレベルだったら、5年もたたずに出来るようになります。昔も今も大抵の先生はそのレベルはクリアーできています。だから日本の教育が成立しています。しかし、「とりあえず」を超えたレベルに達したいと思うのは志が必要です。そして、お偉方が愚痴られるのは、その上のレベルの志がある人の不足です。それは学校を変えよう、市町村を変えよう、都道府県を変えようという志のある人です。もちろん、教頭・校長や県庁に勤めるような年齢となり、その立場になれば当然、そのレベルで物事を考え、行動します。しかし、その年齢でもなく、また、目前に教頭試験を控えている年齢でもない二十代後半から三十代前半に、そのレベルの視野をもてる人材です。

何故、お偉方が愚痴られるかと言えば、そのような年齢の人がいないと、自分たちが考えている市町村、都道府県レベルの企画が動かないからです。言われてやるのではなく、自らの頭で企画を立てられる人を求めています。このような人は本当に少ない。私のように大学に籍を置く人間でさえ、その少なさは分かります。そして、私レベルの人間でさえ、少なくとも新潟県では誰であるかが分かるぐらいです。だから、年度末の時期になり、人事の発表が新聞紙面で見ると、「さもありなん」と思います。それなりの立場の人は、それなりの人を、必死で捜し求めています。

私は見ず知らずの先生からの質問メールであったとしても、誠意を持って回答します。絶対に回答します。何故か?

それは、小学校の先生が変われば、その先生は、人生の中で安心した1年間を過ごせる人が毎年数十人生まれます。教師人生30年としたら約千人の人にそのような時間を与えることが出来ます。これは、ものすごく尊いことだと思います。もし、その先生が周りの先生方を変えたとしたら、すれは数万人のレベルになります。もし、その先生が中高の先生であれば、その先生は、数百人の人に、人生の中で1週間の中で数時間の安心した時間を与えることが出来ます。教師人生30年としたら、数万人のレベルになります。そしてその先生が学校の先生方を変えることが出来たとしたら、数万人に安心した3年間を与えることが出来ます。これは尊いことだと思います。おそらく、日本国首相より凄いことが出来るのだと思います。日本国首相が出来るのは、消費税を数%上げるぐらいのことしかできないのではないでしょうか。いや、それすらも出来ずに、投げ出す人もいるかもしれません。だから、見ず知らずの先生のメールであったとしても誠意を持って返信しています。

もう一つあります。

学び合い』は決してメジャーではありません。地方大学の一つのゼミが細々と始めたものに過ぎません。それを見いだし、学ぼうとする教師はものすごい人だと思います。このことは内田樹先生がブログに書いていましたが、私もまったく同意見です。何故、そのように見つけたのでしょうか?多くの人は「偶然に」とか「たまたま」とかおっしゃります。しかし、アンテナをあげていなければ、永遠にその偶然には出会えないと思います。『学び合い』を見いだした先生方はアンテナをあげ続けている人です。では、何故、アンテナをあげ続けているのでしょうか?それは「とりあえず」の先を求めている人だからです。だから、私は見ず知らずの人であったとしても、私にわざわざメールを出す人は、「絶対に学校を変える人」と思っています。そして、近いうちに「市町村を変える人」、やがて「都道府県を変える人」と思っています。

生涯一教師として過ごすにせよ、管理的な立場になる人にせよ、いずれにせよ、その人の背中には、多くの人の人生がかかっていると思っています。もし、田舎大学の一教師である私が、それに寄与できる可能性があるとしたならば、それは私の出来る最高の仕事だと思っています。

だから、誠意を持って対応しています。

学び合い』は革命的に今までの教育の考えとは違います。でも、本当はとてもシンプルな考え方なのです。分からないこと、躓くことがあれば、どうぞメールしてください。誠意を持って対応いたします。

[]三宮の夜 06:23 三宮の夜 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 三宮の夜 - 西川純のメモ 三宮の夜 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 10月16日には兵庫の小野南中学校で講演します。ということで、兵庫の三宮に泊まります。10月15日(水)の夜7時から三宮で飲み会をします。参加希望の方は、桔梗さん(kikyo★nishi.or.jp:★を@にに直して下さい。)にメールして下さいね。