■ [ゼミ]恐るべきバカ

私は指導教員から、特に、学部の石坂先生からいっぱい驕られた。あまりにも驕られたので、お金を出そうとしたら石坂先生は「私も驕ってもらった。だから、君が教師になったら教え子に驕りなさい」と言われました。いわゆる恩送りです。若い私は「ラッキー」と思いました。
私が教師になってから、その恩の重さをひしひしと感じます。
以前、山形に講演しました。ゼミ生二人が行きたいというので、同伴しました。夜、一緒に飲みました。店に入って、注文するのが時間がかかる。あきらかに、おなかがすいているので食べたいが、遠慮しているのがありありとしています。見栄っ張りの江戸っ子としては、それが嫌でした。そこで、「メニューのここからここまで全部食べられるか?」と聞きました。「食べられる」というので、店の人に「ここから、ここまでお願いします」と「私」が注文しました。ゼミ生はニコニコです。が、3分の1ぐらいで減速し、結局、食べられませんでした。当然、大散財です。が、私の𠮟ったのは、食べられなかったことです。ま、これもゼミ生の思い出になるだろうとニヤニヤしてポンっと頭をたたき笑いました。
昨日の飲み会です。ゼミ生は楽しい時間を過ごしました。が、集団の最下層です。ですので十分に食べていないし、飲んでいない。可哀想なので二次会に誘いました。そこで、食べたいものを注文させました。私は家に帰りたかったので、2万円をおいて、足りなかったから後で払うと言って帰りました。ま、3人のゼミ生の2次会、2万円で十分だと思っていました。が、本日、足りなかったとのこと。領収書を見せてもらうと3万円。笑いました。ただ、食べきれたか、を確認しましたが、食べきれないとのこと、それは𠮟りました。ま、ポンと頭をたたき笑いました。そして、これは例外であることを言いました。
今週と来週のお客様が来るとき、私はかなりの額をぽんぽん出します。それで学生が学んでくれたらいいと思っているからです。
これを読んでいるゼミ生諸君。君らに驕るぐらいは、ちゃんと稼いでいます。が、驕られるということは恩送りをするということを忘れずに。そして、注文したものは食べなさい。
以上、指導教員からの指導です。
追伸 私がお金を払うということは、息子と家内についやすべきお金が減るのです。そして、ゼミ生を指導することで、一円も給料は上がらないのです。これも忘れずにね。
■ [大事なこと]群馬講演

群馬での講演をアップしました。https://www.youtube.com/watch?v=tavVAGCgulw
■ [大事なこと]志

昨日の飲み会でお世話になっている高校の校長先生が「西川先生の教えたゼミ生は何人ぐらいですか?」と聞かれました。大学教師を三十年務めているので約300人になります。そのように応えたら、「その方々が日本中の『学び合い』を支えているのですね」と言われました。私は「いいえ。日本中の『学び合い』を支えている人の圧倒的大部分はゼミ生以外です。」と応えたら校長先生は不思議そうな顔をされました。そこで「志は育てられませんから」と語ると、大きくうなずいてもらいました。なにしろ私のゼミ生でない、その校長先生自身が『学び合い』を支えてくれる同志なのですから。
吉田松陰は松下村塾で塾生を育てたのではないと思います。志のある人が集まり、互いに啓発し合った。吉田松陰は方向性と場を提供したにすぎません。吉田松陰であっても志のない人に志を与えることは出来ないと思います。
私に数回しか会ったことのない人、いや、直にあったことのない人たちが、『学び合い』を支えてくれます。『学び合い』の目指しているものがその人の中に既にあったからだと思います。『学び合い』はそれを言葉にした、理論的に整理し、方法論を提供したのです。
もちろん私のゼミ生に志が無いとは申しません。単に教員採用試験に受かることを目的とする学生は絶対に私のゼミには入りません。そして、私の管理下に置いては抜群の成果を上げてくれました。ただ、今の置かれた環境でそれを十二分に出せない。私はゼミ生やその他の人の中にある志を出せる環境を整えたいと思います。
あるゼミ生から「西川先生は学校をつくらないのか?」と聞かれました。私は言下に「イヤだ」と申したら、怪訝な顔をしました。私は以下のように話しました。
「学校をつくることは凄いことだ。つくることよりも、それを維持し続けることが大変だ。一度つくれば、在学生はもちろん、卒業生のために維持し続けなければならない。さらに、職員の生活のために維持し続けなければならない。そんな責任を私は背負えない。仮に背負ったとしたら、絶対に背負わないが、背負ったら他の仕事は出来なくなる。なにしろ文字通り人の人生に責任を負っているのだから。大学もやめて、それに専念しなければならない。そうなったら、自分の生活の基盤が上越教育大学に勤めているより遙かに脆弱になってしまう。ということは、家族も巻き込んでしまう。だから、そのようなことを出来る人に学校をつくる仕事は任せたいと思う。私には無理だよ。でもね、私は情報発信によって出来ることをするよ。来週には多くの学校の校長先生が来られる。その方々に私の志を伝えられれば、私はその学校づくりに参画できる。責任を負わないでね。あはははは」
■ [嬉しい]フラグシップ

昨日は西川ゼミがお世話になっている高校でアクティブ・ラーニングの公開授業がありました。その学校は地域のトップ校で、息子がお世話になっている学校です。
非常に驚いたのは、参加者の半数は中学校の先生方なのです。中学校の先生が、中学校の先生が高校の授業を見る機会は初めてだと仰っていました。
公開授業をする高校は多くありません。そして、案内を中学校にだそうと思うところも少ない。さらに、中学校もトップ校の公開授業だからこそ参観に来たと思います。つまり、この学校が『学び合い』のアクティブ・ラーニングにトライする意味はとても意味があることを実感しました。
夜はその学校の先生方と、楽しく、良い「悪巧み」で盛り上がりました。一方で、ゼミ生がその学校の先生方への感謝の気持ちを喋っているうちに涙を流しました。そういう学校と繋がれることを感謝しています。
追伸 研究協議会では様々な中学校、高校の先生がたの勤務校でのアクティブ・ラーニングの実践が話題になりました。しかし、理論がハッキリしないので交流できるのは末端の方法レベルです。かなり優秀で意識の高い先生方が集まっているので、とてももったいないと思いました。どうしたらいいか、私も考えます。
■ [嬉しい]高校数学

「すぐ実践できる!アクティブ・ラーニング高校数学」(学陽書房)の増刷が決まりました。ご愛顧感謝します。
おそらく、全ての教科で一貫した理論と方法論で実践できるアクティブ・ラーニングは『学び合い』だけだと思います。つまり、『学び合い』だけがカリキュラム・マネジメントを実現できる。
カリキュラム・マネジメントを実現したい方は他教科の本も読むことを勧めます。驚くほど一貫していることが分かると思います。
■ [お誘い]大阪の会

3月26日に大阪で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/452873/