お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2010-09-13

[]信じてもらえない 22:24 信じてもらえない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 信じてもらえない - 西川純のメモ 信じてもらえない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ふと想像しました。『学び合い』が広がり、それで学んだ人が多くなったとき、現状は理解されないと思います。

 「え????????たった一人の先生で、みんなを教えられると思っていたんですか?そんなの無理に決まっているのは当たり前じゃないですか」

 「うそ~。一日6時間以上、黙って座っていなければならない。あははは。葬式でもあるまいし。それじゃあ拷問じゃないですか。専制国家でなら分かるけど、当時の日本は民主国家なんでしょ?」

 「勉強の時、他の学年の人と話し合えない????そんなことしたら効率悪いに決まっているじゃないですか。だって、職員室を想像してみれば当たり前でしょ」

 戦後の教育を受けた私が、現人神を信じている社会を想像できないのと同じです。でも、人間宣言をしたとたんに、それほどの混乱もなく受け入れられたと言うことは、実は心の中では「?」があったということです。だから『学び合い』を拒否する人も、一定の条件を備えれば(具体的には周りの人「も」やっている)、ごく普通に当たり前に受け入れられるだろうな~っと思っています。

[]失うもの 22:11 失うもの - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 失うもの - 西川純のメモ 失うもの - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』に不安な方は「これこれは大丈夫か?」と聞きます。そのたびに、「では、今貴方は出来るのですか?」と聞くと苦笑されます。私の『学び合い』に対する絶対的な確信の背景の一つは、現状の授業がたいしたことがないことを知っているからです。

 本日、『学び合い』で学校づくりしている先生方と会議をしました。その際、現状を分析して、「ということは、失敗しても失うもの無いでしょ?」と言ったら、大笑いされて納得されました。

[]日本を変える 22:00 日本を変える - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 日本を変える - 西川純のメモ 日本を変える - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私はゼミの学生さん、『学び合い』の同志に、「日本を変えましょう」と言い続けています。ま、普通の人ならば「そんなの無理」と思います。が、私は本当に日本を変えることが出来ると確信しています。

 私と多くの人に違いがあるか。あるわけありません。私も大学の教師に過ぎず、総理大臣でも文部科学大臣でもありません。そして、担任している学生である西川ゼミ生は17人です。日本中の多くの同志の担任している子どもより少ない。

 私が毎日やっていることの圧倒的大部分は、ごく普通のことです。例えば、私は日本中の色々な人から質問メールを受けます。それに応えています。これが毎日、2、3時間はかかります。学内の人と、色々なことを相談します。原稿を書きます。でも、一つ一つを取り上げれば、ごくごく普通のことにしか過ぎません。でも、私は一つ一つを誠意を持ってやっています。それは、その一つ一つが日本を変えることに繋がるかもしれないことを知っているからです。そして、それが出来なくても、とても尊いことであることを知っているからです。

 例えばです。ある日、遠方の学生さんが新潟に行く予定があるから土曜日に合いたいというメールがありました。時間を都合をつけて3時間ほど話しました。でも、それが関西で『学び合い』が広がったきっかけなのです。ちなみに、それがきっかけで高知に広まりました。

 ある日、佐賀の教育事務所長が洗脳旅行を希望されました。しばらくして指導主事2人と一緒に来られました。数日間、その方々と話しました。でも、それが佐賀県で行政のレベルで広がっているきっかけなのです。

 ある日、神奈川県の学生さんが『学び合い』をみたいと希望するメールが来ました。そこで、神奈川の同志を紹介しました。でも、それが神奈川で『学び合い』が広がるきっかけになっているのです。

 ネットサーフィンしていたら、『学び合い』に興味を持っている人のブログにヒットしました。そこで、そのブログにコメントしたのが、福岡に広がったきっかけです。

 でも、これも原因と結果の連鎖の一つに過ぎません。それぞれには、その原因になっているものがあるのです。そして、それはごく普通の一つの出会いに過ぎません。そして、その他の地域の一つ一つも、ごく普通の出会いの連鎖なのです。

 私は、どれが大きなきっかけに繋がるか、繋がらないのか、分かりません。だから、どれに対しても誠意を持って対応しています。だから、私へのメールに対して不誠実な返信をしたことは一度もありません。

 でも、そんな大きな連鎖反応が無くても、私は十分に報われると信じています。芥川の蜘蛛の糸では、悪の限りを尽くしたアナンダでさえ、一匹の蜘蛛を救ったことだけで救いの糸が垂らされたと言われます。もし、一人の教師が変われば、その教師が生涯に教える数百・数千の子どもたちに、安心できる数時間を1年間与えることが出来るのです。その数時間の経験が、その子の人生を変え得ると私は確信しています。もし、その教師が十人の教師に『学び合い』を伝えることが出来たならば、地方都市の人口に匹敵する人たちに安心できる数時間を1年間保証することが出来ます。これは、イチローよりも大きな影響力です。

 どんな人でも、親しい人に話すことは出来ます。もちろん、分かってもらえないかもしれません。しかし、あなたが話すことによって、次の人がその人に話したとき分かってもらえるかもしれません。ブログを書く、ツイッターでつぶやく、今は、多くの人が情報を発信することが出来ます。私が毎日やっていることと同じように、一つ一つは劇的な効果はなくとも、それを続けることによって大きな連鎖反応が起こる可能性があります。少なくも、5年前に比べれば、天と地ほどの環境の変化があります。

 私が「日本を変えましょう」とゼミ生たちに言うのは、「空中浮揚ましょう」と求めているのではありません。日本を素晴らしいものにすることは自分の利益だと理解してくださいと求めているのです。そして、今できる多様なことをやり続けてくださいと求めているのです。そして、その今できる多様な、そしてごく普通のことが日本を素晴らしものにすることに確信を持ってくださいと求めているのです。出来るか、出来ないか、それは分かりません。でも、それを理解し信じられる方が、絶対に当人に有利であることは100%確かです。だから、一貫して求められるのです。