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2010-12-24

[]暴言・授業妨害への対処法 10:03 暴言・授業妨害への対処法 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 暴言・授業妨害への対処法 - 西川純のメモ 暴言・授業妨害への対処法 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 もし、暴言・授業妨害があったらどう対処したらいいか?実は、これは『学び合い』に気づく遙か以前、私が暴走族に物理を教えている時代に学んだことです。

 基本的には、その暴言・授業妨害に個別対応しないということです。対応したら、1(私)対1(その子)のやりとりが延々と続きます。相手は納得したいのではなく、私をへこましたいのですから、このやりとりはエンドレスです。実りがない。でも、完全に無視するといきり立つ場合がありますので、それなりに対応します。具体的な「テクニック」としては、授業妨害には、それが悪いことであることは述べますが、それを止めようとしません。相手にしていなければ、大抵の場合は収まります。教師に対する暴言は、基本的に無視します。無視してはいきり立つ(教師自身はいきり立っては駄目です)と思われた場合、その発点に対しては「●●は●●と言っているが、みんなはどう思うのかな」という風にみんなに返す。そして、その他の子どもと教師、出来れば、その他の子ども同士の会話に引き込むのです。暴言・授業妨害を繰り返す子は、教師にどう思われようと「へ」とも思いませんが、クラスの子どもから浮き上がることは恐れますから。

 そして、大事なのは、現状を打開する道は、暴言・授業妨害をする子を何とかすることではなく、クラスの大多数が教師を支持するか否かなのです。大多数が指示し、それが明らかになれば、暴言・授業妨害は収まります。その時、出来るのはうっぷしてふて寝するか、クラスを飛び出すかしかありません。後者の場合も、クラスの子が迎えに行くようにならねば解決には至りません。

 以上のことは、暴走族に物理を教えている時代に、学んだことです。

 ただし、その当時は、これが有効である本当の意味を理解していませんでした。ま、数あるテクニックの一つに過ぎませんでした。結果として、おもしろ授業にのめり込み、教師ドラマの熱血教師的な個別対応に時間を注ぎました。結果として、見た目は非常によいクラスをつくり、「俺は天才教師」だと自己陶酔していました。しかし、実態は駄目でした。カリスマ教師によるクラスの脆弱さを数年後、まざまざと学びました。それがトラウマとなり、結果として『学び合い』に至りました。

[]教師選択制 10:03 教師選択制 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 教師選択制 - 西川純のメモ 教師選択制 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教師の中では、学校選択制・教師選択制は不人気です。でも、私はそうすべきだと思っています。それらに対する反論は、全て、現状の学校や教師が考え方を変えないことを前提としています。しかし、その変えない考え方を変える必要があり、変えられると私は思っています。

 考えてください。自分が行く床屋や美容院が指定されたら、日曜日に外食に行く所を指定されたら・・・・。それらの理由が自由にさせたら「混乱する」という理由だったら。納得できますか?私は納得できません。

 そして、それは教師にとってもメリットがあると思います。例えば、私はゼミ生以外に対しては、聞かれたら非常丁寧に説明します。ほぼ完璧な「正解」を教えるときもあります。しかし、ゼミ生には目標を語りますが、「考えろ」と言うだけです。何故か?それはゼミ生を愛していて、その方が成長することを知っているからです。そして、そのような指導を選択した人だからです。

 私の授業の様子と、ゼミ運営は全く違います。授業は講演会と同様に飽きさせないようにエンターテイメント性を高めた「ショー」を目指します。ところがゼミ運営は徹頭徹尾『学び合い』です。理由は上記と同様です。

 小中高の教師には指導要領の縛りがあり、万人向けの授業をしなければならないのです。でも、選択制ならばその縛りを外すことが出来ます。例えば、保護者ともめたら、当人同士ではらちがあきませんから。