お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2011-09-21

[]中学校・高校 07:05 中学校・高校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 中学校・高校 - 西川純のメモ 中学校・高校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は二十年以上前は高校理科教師でした。その時の高校理科教師の研修会は教科内容オンリーでした。せいぜい言って理科実験の開発ぐらい。理科実験の開発においても、科学的な実験データは膨大にあるのですが、それが教育上の効果があった、つまり子どもの反応はどんなもので成績に反映されたかというデータは殆どありません。科学を正しく深く理解してれば、自ずと子どもは学ぶという枠組みです。教え方・発問・板書・生徒理解等は泥臭いものであり、そんなものは組織的に学ぶものではなく、経験の中で学ぶものという意識がありました。これは中学校でも似たようなものだと思います。

 時代は変わったと思います。今年の『学び合い』フォーラムの参加者の中に占める高校教師の割合は急激に増えていました。ビックリしました。こんな話を聞きました。

 ある高校の校長が、『学び合い』で学校づくりをすることを決めました。これだけでもビックリです。ある『学び合い』中学校が研究発表会があります。そこに職員を派遣して学ばそうと考えたのです。が、その高校の校長は全職員を派遣することを、そして、そのために学校を休校にすることを考えたのです。これには腰が抜けました。

 そこまでして教師の授業能力を高めようとする高校ってどれだけあるのでしょうか?今まであったとしても、受験や生徒指導がらみでしょう。それも数人を派遣するレベルです。発想が違います。

 そうしたら、中学校の方では、そこまでするならば高校の生徒達も参加してもらえないかと発想したそうです。これも腰を抜かしました。生徒達が参加して発表会の分科会に参加してもらえれば実りが多いとその中学校の先生方は考えたのです。この発想は子どもを有能と考える『学び合い』以外は発想できないと思います。そういう発想が生まれ、そういう発想を受け入れる中学校が生まれていることに、その中学校の校長をはじめとする職員の方々に深く敬意を表します。

 あ~。このような方々と同志であることを心から誇りに思います。