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2013-08-04

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 よく聞かれることですが、「『学び合い』を実践している方は、全部『学び合い』でやっているのですか?」と聞かれることがあります。私は「人それぞれです。でも、『学び合い』が分かれば、その人が『学び合い』をやっていないと思っているときも『学び合い』をしています。例えば、子ども達集団が育ってくれば、長々説明しようとしても、子ども達が「もういいよ。早く任せてくれよ」というオーラを出します。教師の方も、それを感じることが出来るので、「もういい?いいの?じゃ、どうぞ」となってしまいます。」と説明します。

 しかし、もう少し、説明を加えた方が良いな、と思いました。

 『学び合い』を理解するには、職員室に置き換えるとわかりやすい。一般の授業における教師の立ち位置は、職員室における先輩教師の立ち位置と同じです。つまり、基本的に同じ仕事をしている。ただ、その仕事に熟達しているものと、初心者との違いです。質的な違いは無く、程度の問題なのです。例えば、深い教材理解、というのも程度の問題で質の違いではありません。

 『学び合い』における教師の立ち位置は、職員室における校長の立ち位置と同じです。つまり、基本的に別な仕事をしています。部屋も別です。教師は授業をやっており、校長は学校運営をやっています。程度の差では無く、質的に別な仕事をしているのです。

 例えば、校長の机が職員室にあって、若い教師の指導案とか教材作りのアドバイスを頻繁にしたら、どう思います。そんなことするぐらいだったら、外回りをちゃんとして、対外的な交渉を行い、予算を獲得し、自分たちの人事をやってほしいと思うでしょ。

 だから、『学び合い』で教師はどのように動くべきかを考えるとき、職員室における校長に置き換えると分かりやすいのです。

 校長にも色々です。細かく指示を与え、一つ一つホウレンソウを求める校長がいます。一方、達成するべきことが明確で、その意義を説得できて、職員集団を信じて任せ、細かいことは言わない校長がいます。簡単に、前者を一斉指導校長、後者を『学び合い』校長としましょう。前者は、基本的に先輩教師の立ち位置なのです。

 さて、最初の質問は「『学び合い』校長は、どんなときも『学び合い』校長なのですか?」という質問に置き換えられます。今までお仕えした校長を思い起こして下さい。純粋に一斉指導校長は少ないだろうし、純粋に『学び合い』校長は少ないと思います。程度の問題なのです。でも、純粋な『学び合い』校長に近づけば、近づくほど、職員集団は任せられていると信じるでしょう。逆に、純粋な一斉指導校長に近づけば、自分たちでものを考えず、指示待ちになるでしょう。だから、職員集団の力を引き出そうとすれば、純粋な『学び合い』校長に近づいた方が、効率が良いのです。

 とわいうものの、校長はリスク管理をしなければなりません。自分なりに、どこは任せて、どこは任せられないというものがあって当然です。ただ、その場合は、それを明確にすることが大事です。そうでなければ、管下の職員がどのように動いて良いか混乱するからです。そのためには明文化し、管下の職員(つまり子ども達)に公開し、自らもそれに縛られる必要があります。

 西川ゼミは、完全無欠に『学び合い』で運営され、一般には信じられないほどの自治が与えられています。しかし、例外はあります。そして、それは明文化しています。http://p.tl/1GKJ

これは小学校1年の担任であっても必要なことだと私は確信しています。