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2013-09-03

[]自慢 21:03 自慢 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 自慢 - 西川純のメモ 自慢 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今から十年弱前に新潟市の研究の中心校で講演をしました。そんなときです。新潟市から派遣された現職院生が、知り合いの教員に私のことを話したのです。院生さんは私の学会での業績で色々説明したのです。しかし、いくら説明しても生返事でした。ところが、その中心校で講演に呼ばれたということを言ったとたん、「ほ~」と言って納得したそうです。その話を聞いて、学会で育った私は「ほ~」と言いました。それぞれには納得する物差しが違うものだと思いました。

 北海道の堀さんの音頭取りで本が出版されました。The教師力という本です(http://p.tl/oI41)。出版社のコピーは以下の通りです。

教育界で活躍する16人の教師が語る「教師像」!

教育界で活躍する16人の人気教師が、「教師像」「教師力」について語る、必携の1冊!【執筆者】堀 裕嗣/青山新吾/赤坂真二/池田 修/糸井 登/石川 晋/大谷和明/金山健一/佐藤幸司/多賀一郎/寺崎賢一/中村健一/西川 純/野中信行/堀川真理/山田洋一

 大学院を25歳で修了してから、28年です。高校教師は2年間で、それ以外の26年間はずっと大学人です。学会から多くの学会賞を貰い、学会誌の編集委員長を長らく務めました。そして学会長をつとめている、純粋の研究者です。

 なのに、きら星のような教師の中に混じって「教育界で活躍する16人の教師」の中に混ぜて貰いました。きっと、きら星、令名を誇る教師の皆さんに並ぶことによって、すこしは私がましな人間であることの証明になると思います。

追伸 標準的な大学人は私のようなことを思わないでしょうね。それが困ったもんです。私の学術上の業績を評価しなかった小学校の先生と同じように、実践上の業績を評価しない大学の世界があります。どっちも、どっちも、です。

[]大分の会 16:57 大分の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大分の会 - 西川純のメモ 大分の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 9月29日に大分県別府で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/112525/

[]住 06:58 住 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 住 - 西川純のメモ 住 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 朝起きて、窓を開けると、山が見えて20m~100mの空間を隔てて隣の家が見えます。聞こえるのは虫の音だけ。そして爽やかな冷気が入ってきます。家のドアを出て、研究室のドアを開けるまで15分以下。なんて贅沢だろう、と思います。都会でこれを味わうとしたら年収は億のレベルが必要だろうな、と思います。

 衣食住と言われます。

 私は東京で生まれ、東京で育ちました。若い頃は「衣」でした。子煩悩な親のおかげで、高校以上では毎週デパートで服を買って貰いました。それが大学で開花(?)し、両手の7本の指にオニキスの銀の指輪をはめ、髭を伸ばし、パイプを吸っていました。今考えると、もっとも安易に人に認めて貰う道だったのだと思います。しかし、大学院に入り、私を教えてくれた教員よりも凄い論文業績を上げる頃から、それが馬鹿馬鹿しくなりました。金で買ったものでは無く、自分がなしたものを身にまとう方がいい。

 「食」は大事です。しかし、ありがたいことに私は日本に生まれた。基本的な食は満たされています。数十万円のシャトーマルゴーを飲んでも、その価値を分かりません。その代わり300円あたりのワインの中でも美味しいと思える銘柄は何かを知っています。100円寿司で十皿も食べたり、すき屋の牛丼に生卵を賭けて食べたりすれば大満足です。なにより家内の食事を毎日食べられます。グルメ番組は数々あれど、最高の料理は家族のために創ってくれる妻や母の料理であることは、日本中に出張するたびに感じます。

 グルメ番組で漁師の家庭の料理が写される場合があります。まあ、豪華絢爛です。が、それは漁師という職と一対の関係です。私にはなれません。しかし、新潟は酒所、米所です。毎日食べる米と酒が美味しいところで良かったと思います。ちなみに出張では麺類や親子丼やカレーなどを食べます。米単独で食べると当たり外れが多いからです。

 「住」の価値は東京に住んでいる頃は分かりませんでした。そして、上越にうつってからも独身時代は分かりませんでした。なぜなら「住」は寝る場所以上の意味は無かったから。今は家にいる時間が宝です。だから通勤時間が往復で30分以下の生活がとても凄い意味を持ちます。そして隣家に気を遣わなくて良い生活が意味を持ちます。

 こんなことを若い人に教えたいと思います。だから、ゼミ生には何度もその手の話をします。そして、小中高においてもそれがあるべきだと思うのです。

 キャリア教育のベースは、自分の幸せは何かという「富の創造」だと思います。その富を生み出す手段として職業があります。職業体験がまずありきは本末転倒だと思うのです。それよりも自分にとっての幸せは何かを考えさせるべきです。それには衣食住の意味を考えさせるべきでしょう。それがなりたてば、とりあえず偏差値の高い学校に入学し、とりあえず都会に就職するという高度成長のモデルから脱せます。

 そんなことを朝の冷気の中で考えたので、とりあえずメモりました。

追伸 大学院の時にアルビン・トフラーの第三の波を読みました。彼の描く未来像は実に的確であると何度も感じます。我々の価値観は速やかに変わるべきだと思います。残念ながら現在の教育(特に高等学校レベル)は高度成長モデルの人がつくっています。そのため未だに、とりあえず偏差値の高い学校に入学し、とりあえず都会に就職するという高度成長のモデルの中にいる。しかし、それでは子どもたち全員は幸せになれません。