■ [う~ん]リンゴ
私の研究者の出発点は理科教育学です。41才で理科教育学会の学会賞をいただきました。46才で学会誌編集委員長になり5年間勤めました。おそらく、現役研究者の中で、私ほどの学会誌論文の業績を持つ人はいないでしょう。それを四十代で達成しました。きっと、理科教育学の世界の中で生きれば幸せなのは分かります。
今、日本中の人の中で私を知っている人の中で、私の出発点が理科教育学だということを知っている人はどれだけいるでしょう?私がもともと理科の教師であることを知っている人はどれだけいるでしょう。少なくとも、私の所属する上越教育大学の教職大学院でそれを知っている人はごくごくわずかです。
私の指向性の奥底は理科教師です。ただ、その前段階の「一人も見捨てず」が実現できないから理科を出せません。ましてや、同僚に教え子が理科を担当しているとなれば、大学では理科を封印しています。
アダムはリンゴを食べたために、パラダイスを追放されました。それを悔いただろうか?私はそう思いません。きっと、神に色々と言いたいことがあったと思います。リンゴを食べた後に、見えるものがあります。理科に関してやりたいこと、言いたいことは山ほどあります。しかし、私にはそれを語る立場がない。
追伸 理科を専門としている他ゼミの学生に理科を問われると、封印が解かれます。延々と熱く語ります。子どもの幸せに繋がりません。が、私の幸せに繋がります。みなさん、私は理科教師です。