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2014-05-02

[]反転授業2 09:17 反転授業2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 反転授業2 - 西川純のメモ 反転授業2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日のメモを別な表現で説明したいと思います。

 多くの人たちが万古不易と思っている現在の授業スタイルは、本が高価で、コピー機がなく、一部の教師しか教育を受けていない、という明治時代の状況に合わせて形成された授業スタイルです。これは諸外国も状況は同じです。

  『学び合い』は塾・予備校等で履修積みの子どもが2、3割いて、優良な本が安価になり、コピー機が使えるという状況に合わせて、「子ども」という最高のツールを全ての子どもに与えようとするものです。

 ところが、多くの教師は「子ども」を信じられない。まあそうでしょう。なぜなら子どもたちを動かして子ども集団にするということを出来ませんから。だから、目立つ駄目な子に目が奪われてしまう。だから、 『学び合い』に疑問を持つのです。

 ところが、自分たちが殆ど知らないタブレット端末は相対的に素直に信じられるのです。だから反転授業の方が分かりやすい。しかし、タブレット端末を利用し始めると、今まで教師が仕事だと思っていた「板書」、「発問」、「講義」を機械が代替わりします。そのことによって、教師の仕事とは何か?を問い直すことになります。

 それが進行すれば「子ども」というツールの有効性が分かる人が増えます。だって、現代科学の英知を集めても、人間ほど優秀なパターン認識能力があり、かつ、人間の感情を理解できる機械は存在しませんから。

 これが反転授業の本当のすごさと怖さなのです。

[]部活 09:17 部活 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 部活 - 西川純のメモ 部活 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日のゼミで質問されたことのもう一つは、部活に関してです。それは「西川先生は、部活指導において大事なのは部活が人生においてどのような意味を持つかを語れることだと言いますが、現実の部活は、まずは勝つ、でやっています」という質問です。

 私は、以下のように答えました。

99%は「まずは勝つ」でOK。これはクラスでの 『学び合い』の同じ。99%は「単純に全員達成」でOK。でも、まれにそれでは解決出来ないような問題にぶち当たる。例えば、部活指導ではレギュラー選抜において情と理が相反する場合、知的な障害があるクラスを担任した場合、など。その場合は、「まずは勝つ」、「単純に全員達成」では解決出来ない。そのレベルになると、 『学び合い』の学校観や子ども観に立ち戻って考えるしかない。

1%はまれだ。でも、そこで方針を過てば、教師の鼎の軽重を問われる。結果として99%が崩れてしまう。これが 『学び合い』は方法ではなく考え方だと私が繰り返す理由だよ。