■ [願い]段階
『学び合い』には3つの観があります。学校観、子ども観、授業観。私がその重要性に気づけた順番は授業観、子ども観、学校観の順番です。日本中の圧倒的大多数の方は、授業観で『学び合い』を見て批判されます。でも、方法論ではないのです。考え方です。次の段階になれば子ども観が分かります。子ども集団の有能性、逆に言えば、自分の限界を理解する段階があります。幸いなことに、この段階に進まれた方がかなりいます。でも、その先があります。学校観です。これが分かるには、方法論の様々なところを捨てなければなりません。教科内容ではなく、仲間作りの大事さを理解する必要があります。もちろん、教科内容を捨てるのではありません。それらは仲間作りのベースの上にあるし、そのベースは教科内容にあるということを理解しなければなりません。
でもね、一番大事なのは、子どもの幸せです。私の授業で子どもがどのように感じるか、学ぶかではなく、私の手を離れてから十年、二十年、三十年先を考えられるかです。おそらく、日本の教師の99.9%まで分かっていない。本当は、そうありたいと願っても、心の平安のためにそれを封印してしまっている。しょうがありません。私のゼミ生に願っていること、それは、自分は目の前にいる教え子の一生の幸せを保証しているんだ、ということを確信して欲しいことです。
教師という職業は誇り高いものです。その誇りは何を教える、何を気づけるかを子どもに与えるかではありません。目の前の子どもの十年、二十年、三十年先の幸せを保証することです。とても誇り高く、やりがいのある職業です。と、信じているから教員養成系大学の教師を私はやっているのです。でも、その難しさを感じています。
授業論はたやすい(ま、でも難しいですが)。が、子どもを極限まで信じるのはかなり大変です。でも、授業論を理科するのは「驕らず、腐らず、したたかに」を出来なければなりません。なぜなら、我々は教え子の将来の幸せを保証しているのですから。したたかにならねばなりません。
■ [お誘い]東京大学附属中学校
2月15日に東京大学教育学部附属中等教育学校の公開研究会があります。對比地さんが1時間は中3の単学級『学び合い』、もう1時間は中3と高1の異学年『学び合い』を行います。必見です。http://p.tl/uuPM
■ [嬉しい]ハイタッチ
本日は我がゼミが入っている学校の全校 『学び合い』を参観しました。今年最後の全校 『学び合い』です。今回は近くの幼稚園の年長さんも参加です。つまり、年長~6年の異学年 『学び合い』です。
『学び合い』のセオリー通りに子どもが動きます。そもそも最低限のことをまもってさえいれば異学年 『学び合い』は失敗させるのが難しいほど、簡単なのです。それが 『学び合い』を分かっている学校で実践するのですから、百万が一の不安もありません。
最後は51秒を残して全員達成です。
その瞬間、子どもたちや先生方から拍手が起こり、ハイタッチの嵐です。
いいな~っと思います。 『学び合い』がある程度軌道に乗れば、単元内容によっては一部の子が手を抜いても全員達成することは出来る場合があります。しかし、その場合は、全員達成した時の盛り上がりが少ないのです。なぜなら、集団全体を俯瞰できる子は、教師と同様に手を抜いている子どもがいることを見取ってしまうのです。そのため、心から喜べない。
今日は子どもも教師も喜べる全員達成です。