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2014-10-22

[]葬式 18:49 葬式 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 葬式 - 西川純のメモ 葬式 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 日本の葬式はよく出来ていると思います。

 19日の夜、病院に呼ばれ、時々刻々と容態が悪くなり、そして、死を告げられたとき、何が何だか分かりませんでした。睡眠時間は3時間程度。

 20日は混乱のままです。ちゃんと寝たのですが、フワフワしているような状態です。

 21日の通夜で死顔を見て、お亡くなりになったことを実感しました。

 22日に本葬に参列し、焼き場に行き、骨を拾いました。戸北先生の体は「物」になったことを実感しました。先生のお心は場所を定めず広がっています。皆様のところにも。

 私に関して、多くの方からご心配をいただきました。しかし、ご遺族の皆様のご配慮で、最後の、最後まで関わらせていただきました。覚悟が定まりました。戸北先生を慕う日本中の方々のために、チームとして結果を出さねばと思いました。

 11月24日に「戸北先生を送る会」を開きます。多くの方々に集まっていただき、戸北先生の思い出を語り、自分の今を語り合いましょう。そして、戸北先生にあらためて感謝を伝えましょう。

 今日はよく眠れるかもしれません。

[]一人も見捨てない 10:05 一人も見捨てない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人も見捨てない - 西川純のメモ 一人も見捨てない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私にとって「一人も見捨てない」は本心です。もちろん、それを今も実現しているかといえば、そうではありません。しかし、そうできなかったとき、私は病的に共感能力が高いので、ものすごく苦しみます。だから、私が教育の世界に関わるとき、「一人も見捨てない」は選択肢のない方針になります。

 そこそこの子どもたち相手に、そこそこの教育をやるかぎりは「一人も見捨てない」は必ずしも必要ありません。「みんな仲良く、頑張ろう」程度で十分です。それでも子どもたちは全員達成を求めるでしょう。学力も人間関係も向上します。しかし、「みんな仲良く、頑張ろう」では越えられない壁もあります。

 集団の中に「とてつもなく能力が低く、対人関係能力の低い子ども」がいた場合、「能力は高いが、性格の悪い子、おそらくサイコパスだと思われる子」がいた場合、そこそこの子どもたちで集団が形成されているが、子どもにもの凄い高みを見させて持った場合、このときは全員達成がものすごく大変になります。クラスをリードする2割の子どもがヘトヘトになります。その姿を見ていれば、「すまない」と思います。そして、手を抜くのを許してしまいます。そうなるとリードする子が手を抜き始め、それはクラス全体に波及します。

 リードする子がヘトヘトになったとしても、それでも求められるには、そのヘトヘトの状態がリードする子にとっても、もちろん他の子どもにとっても意味あるものであり、得であると確信しなければなりません。それを確信するためには、とことんまで『学び合い』を理解しなければならない。

 『学び合い』の実践者は多くの子どもの素晴らしい姿を見ていると思います。それは、今まで寝ていた子が勉強する姿、今までひとりぼっちの子どもが周りの子どもと関わり笑顔でいる姿、全員が80点、90点を実現する姿・・・・。しかし、その先があります。

子どもの姿に感激し、涙が止まらなくなってしまうのです。自分の愚かさと、子どもたちのすばらしさに畏怖を感じてしまうのです。そして、この子どもたちの一生の幸せ、彼らが70歳や80歳になったときの幸せに貢献できたと確信を持てるのです。そのようなドラマは、全て、上記のような凄い状態でも「一人も見捨てない」を求め続け、子どもたちがそれを乗り越えたときに経験できるものです。

教師が一人も見捨てるなと求めたとき、一人一人の子どもが120%の力を発揮し、それが数十人がまとまるのです。そこにこそ凄いものがあります。それを見ていない人にとっては宗教じみているかもしれません。しかし直に経験すると、それがテレビドラマのような劇的なものではないことを知ります。ごく普通なのです。ちょっとしたものなのです。ただ、それが有機的に絡まった集団があやなすことが凄いのです。

[]求めること 09:42 求めること - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 求めること - 西川純のメモ 求めること - 西川純のメモ のブックマークコメント

 高校野球の監督は、どんなへぼチームであっても「甲子園に行こう」と語るべきです。

 「まずは1勝しよう、それが出来たら2勝を目指そう」というのは現実的のようですが、それではたかがしれています。まずは「甲子園に行こう」があって、それから逆算して今何が出来るかを語るべきです。

 多くの経営学の本が示すとおり、管理職はドリームメーカーであらねばなりません。

 私はゼミ生に「日本を変えろ」と求めています。そして、『学び合い』では「一人も見捨てるな」と求めています。当然、普通の高校球児が「甲子園に行こう」と言われると同じように、いや、それ以上にキョトンとします。そして、言葉のあやと思うでしょう。そのうちに、言葉のあやではなく、私がそれを本気で求めていることが分かります。そして、様々な話の中で、それが実現可能であることを一部の子どもが理解します。そして、研究室がその方向でばく進します。

 「甲子園に行こう」、「日本を変えよう」、「一人も見捨てるな」はいずれも多くの人にとって荒唐無稽の言葉のようです。たしかにそうなのです。しかし、それを本気で求められる人と求められない人のどちらが管理職に向いているでしょうか?明らかに前者です。後者の人は、会社でいったらば主任や係長レベルの管理職にしかなれません。取締役以上の管理職は多くの人からは荒唐無稽に思われることを求められねばなりません。そのためには、それを本気で願わなければなりません。願えば、絶えずいろいろなことを考え、今できることを探し、それを着実にこなします。

 今の子どもに必要なのは主任や係長レベルの管理職ではありません。そんなレベルのことは子どもたちの方が圧倒的に優れています。彼らには出来ないこと、それは彼らにもっと上の世界があることを示し、それを求め、求める気にさせる管理職なのです。

「まずは1勝しよう、それが出来たら2勝を目指そう」レベルだったら子どもでも言える子はいます。しかし、「甲子園に行こう」と求められるのは教師だけです。

[]野上小学校 09:21 野上小学校 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 野上小学校 - 西川純のメモ 野上小学校 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 10月24日(金)に和歌山県紀美野町立野上小学校で公開授業があります。お誘いします。詳細は以下の通りです。連絡は学校の校長先生にお願いします。

13:30 ~ 14:15

  『学び合い』による公開授業

  1年算数  3年算数  4年算数  

  5年-1 算数  5年-2 社会  6年-2 社会 

[]気になる子への言葉がけ入門 07:15 気になる子への言葉がけ入門 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 気になる子への言葉がけ入門 - 西川純のメモ 気になる子への言葉がけ入門 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日、明治図書から「気になる子への言葉がけ入門」(http://goo.gl/DTf6I6)が届きました。最終ゲラをチェックしたのは8月だったので新鮮に読みました。そこに書いてあることは、多くの人に聞かれる定型の質問であり、それに対する定型の応えです。きっと多くの方々の疑問にフィットすると思います。しかし、「あれ、これって俺が書いたんだよな・・」と思うような部分もあります。極端な表現ですが、本を書いていると時々、神が降りてくることがあるような気がします。

 本書は『学び合い』の中の言葉がけのテクニックを扱ったものです。『学び合い』ではなく従来指導型でも直ぐに使えるものだと思います。簡単に言えば三つのことを伝えています。第一は、子どもを信じることです。何でもかんでも自分一人で抱え込まずに、子どもと一緒に問題を解決出来るようになることが大事です。第二は、気になる子に言葉がけしないことです。多くの教師はそれをしがちですが、おそらく失敗します。それを避けるには、教師の言葉を聞く子に言葉がけをするべきなのです。第三は、学校教育の意味を語ることが大事であること書いています。子どもと同じ次元に立っている限り、子どもを説得できません。子どもが考えない高次な次元に立って問題の意味を説き明かし、それをもとに語るべきなのです。

 とても良い本です。多くの事例を通して、説明しています。きっと今までの考えが変わると思います。