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2015-09-23

[]引き方 21:27 引き方 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 引き方 - 西川純のメモ 引き方 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 あることを始めたら、どのように引くかを考えます。

 法則化の最初、向山先生は私がビビるぐらいの私財を投じたと聞いています。しかし、責任を理解できれば、そうせざるをえません。私はそんなのは嫌です。そんな胆力は私にはありません。そして、家族が許すわけありません。私は小市民です。ですので、私はそういうのを避けました。そして、その方がいいと思いました。何故なら、個人が前に出れば、個人が発展の上限を決めるからです。私はそれほどの人間でない。だから『学び合い』に関して私が律速段階にならないように常に注意していました。

 それを理解した上で、生涯で一度だけルビコン川を渡りました。それが臨床教科教育学会の立ち上げです。小心の私は生涯のボスである戸北先生を前面に立っていただき、裏方に引きました。何故恐れたのか、他人様から「会費」というお金を預かって、「もう駄目です」とは絶対に言ってはいけないことだからです。が、仲間達のおかげで、学術団体として公的に認めていただき、後進の研究者を育てたので、もう安心です。

 自らの名前を前面に立て、お金の関わる仕組みを立て始めた方がいます。心から心配します。自分の引き際をどう考えているのか。その方を押し立てている人はもちろん本人がどう考えているのか、と。志の高さは分かります。でも、何かを始める年齢と、ソフトランディングを考える年齢があると思います。私は日本の教育にとって大事な方は、幸せなソフトランディングをして欲しいと願っています。町会長の最大の仕事は、次の会長を選ぶことです。でも、町の名前ではなく、自分自身の名前を冠したとたんに、どれほどの責任を負うのか。永遠に生きるつもりなのでしょうか。あ~。私には出来ないことです。

 私個人の問題なら、私が引退すれば終わりです。でも、多くの人、その人達の「お金」に関することを引き受けるのはとても大変です。

[]二流 06:49 二流 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 二流 - 西川純のメモ 二流 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は高校教師として挫折し、大学に逃げこんだのです。私の一斉指導の能力はかなり高いと思っています。しかし、タフさが無い。だから、子どもと正対することによって知ってしまう彼らの業の重さに耐えられなかった。だから逃げ込みました。

 教員養成系大学・学部の教師は、小中高の教師としては二流、三流です。研究者教員はもちろん、実務教員もそうです。小中高の教師として一流であるならば大学の教師になるわけありません。

 子どもと正対することは辛いことです。しかし、同時に辛さと同じだけ得るものが大きい。そして正対する時間が長ければ、喜びを得られる時間も長くなる。

 野球選手としては一流ではないが、コーチとしては一流の人がいます。さて、一流のコーチと、そのコーチの指導を受けている一流の野球選手のどちらが野球選手として多くのものを得ているでしょうか?私は後者だと思います。

 私は本を書き、講演をします。私の本を読んでいる方、私の講演を聴いている方の中には私より多くの喜びを得ている方がいることを知っています。しかし、私は小中高の教師として一流にはなれないことを知っています。だから、大学教師として一流になろうとしています。大学教師の場合は、小中高の教師には求められない能力を求められます。それによって私に欠けている部分を補うことが出来ます。

 そして、私のような人が教師になったときに、そして、その教師の教え子を救うために、もがいた結果が『学び合い』です。『学び合い』の仲間の中には私と似た香りがする人が多いです。つまり、子どもの業に共感するのに、耐えられない。その困り感があるから、今までとは違う道にトライするのだと思います。

追伸 小中高の教師にはあまり求められず、大学の教師に求められるもの、それは「貪欲」、「悪知恵」、「好戦性」であり、それらによる攻撃能力です。それが無い人は研究業績を上げることは出来ません。そして予算も獲得できない。なによりも教え子を守ることが出来ません。