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2015-10-26

[]二律背反 22:06 二律背反 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 二律背反 - 西川純のメモ 二律背反 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 教職大学院も法科大学院も辛いことがあります。それは文科省からは「有能な専門家の養成」と「専門家に合格する」という二つのことを求められています。本来、両者は一致しているべきです。ところが、両者を決めているところが別なのですから。当然一致しません。問題は帳尻あわせを、大学がしなければならない。だから、「有能な専門家の養成」のカリキュラムを保ちつつ、「専門家に合格する」ためのプラスアルファをする。

 この矛盾を解消するためには、国が「有能な専門家の養成」に一致する試験で採用するか、「有能な専門家の養成」のカリキュラムの縛りを緩めるかです。

 私の在職中は採用者数は多い。だから、両者の矛盾は先鋭化しません。しかし、今から十年後には変えないと法科大学院と同じことが教職大学院でも起こります。

 ま、どう考えても直ぐに矛盾爆発の専門職も認可されていますが、十年間はそのままでしょうね。我々末端の教員は毎年のことで一喜一憂しますが、官庁は数十年単位でものを考えていますから。

[]11月 19:41 11月 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 11月 - 西川純のメモ 11月 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 11月は色々とあります。

 11月2日は富山県氷見市立比美乃江小学校へゼミ生が参り、飛び込み『学び合い』授業をします。時間は4、5時間目です。魔法のように子どもが変わるのを見ていただきたいと思います。また、小規模校の学校の方だったら、固定化した人間関係が合同『学び合い』で流動化することが分かると思います。子ども下校後に研修会を開きます。

 氷見市ですので富山県のみならず石川県の方も直ぐに参加できます。

 11月9日は青森県八戸市の長者中学校でゼミ生の飛び込み授業を公開します。売りは、まだ教壇に立ってもおらず、西川ゼミに所属して半年の学卒院生が飛び込み上行をする点です。私も講演します。

 11月12日は富山県南砺市平中学校へゼミ生が参り飛び込み授業をします。『学び合い』が簡単にできることを参観できます。

 11月14日から九州ツアーです。

 14日は福岡の同志と飲み会をします。

 15日は福岡で『学び合い』の会(http://kokucheese.com/event/index/339653/)があります。終わり次第、大分別府に移動です。午後からは『学び合い』大分の会です(http://kokucheese.com/event/index/344671/)。夜は大分の同志と飲みます。

 16日は大分から佐賀に移動。西渓小中学校で私の飛び込み授業です。西渓小中学校の先生方と飲みます。

 17日は大分県日出町の藤原小学校に行きます。終わり次第、中津に移動。中津の先生方に講演をして、中津の先生方と飲みます。

 18日は中津の真坂小学校に行きます。終わり次第、佐賀に移動。夜は、佐賀の同志と飲みます。

 19日は佐賀県のみやき町立三根中学校で小中合同『学び合い』です。終わり次第、新潟に戻ります。

 ということでかなりハードな一月になります。

 義務教育の方はもちろんですが、アクティブ・ラーニング最前線の高校・大学の先生方も公開します。同志各位、その方面にも情報を流して下さい。

[]負け組 07:04 負け組 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 負け組 - 西川純のメモ 負け組 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 社会が激変する時、勝ち組と負け組がハッキリと分かれます。

 旧来のライフスタイルを変えない人が負け組になります。負け組が多く生まれるので、新しいライフスタイルに素早く移行した人は、より多くのパイを得られる。だから勝ち組が生まれます。しかし、多くの人が新しいライフスタイルに移行すれば負け組が少なくなる。結果、勝ち組の得られるパイが小さくなる。結局、勝ち組と負け組の差が小さくなります。

 明治維新の時、状況が急激に変わりました。多くの士族はそれに対応出来ず負け組になりました。ところが対応した士族は、社会で必要とする一定以上の教養を持たねばならないポストに容易く就くことが出来ました。

 今、非正規で就職する人がどんどん増えています。キツい言い方ですが、その人たちは旧来のライフスタイルをイメージした人です。今の社会、その人たちがイメージするライフスタイルが成り立つ職は小さくなっている。だから非正規になるしかない。そして、その非正規の人を使うことによって、大儲けしている人がいる。それが今です。

 今の社会に職が無いわけではありません。ただ、今、雇用のある職業を旧ライフタイルの人は知らないか、価値を持てない。その人たちが非正規になる。だから、今の社会に合わせたライフスタイルを多くの人が持てば、非正規になる人は少なくなります。その結果、非正規を使い大儲けする人が少なくなる。

 どうすればいいか?

 1億3千万人の日本人が変わる必要はありません。70万人いる小中高の教師のうちの2割、つまり14万人が変わればいいのです。そうすれば非正規になる人を急激に減らせます。日本人の0.1%が変わればいい。そう思っています。教員を変えるのは大変ですが、1億3千万人を変えるより遙かにリアリティがあります。

[]一人も見捨てない 06:24 一人も見捨てない - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 一人も見捨てない - 西川純のメモ 一人も見捨てない - 西川純のメモ のブックマークコメント

 私は『学び合い』では「一人も見捨てない」を掲げています。

 しかし、同志の方々には、それが重すぎてしっくりとしないという方が少なくありません。また、ゼミ生からも「西川先生は一人も見捨ててはいけないとは言わない」と質問されます。以下、説明します。

 私の教師としての原体験は学力的に最底辺の高校です。そこに来る子どもたちの多くは、もの凄い「業」を背負っていました。小学校、中学校で学校・教師に攻撃され続けた子どもです。その子どもたちを救えず、奈落に落ちていくのを見続けました。いや、カリスマ教師を目指した私は、積極的な共犯であったことを今は分かります。私にはそのことを忘れることは出来ません。だから、「分かって楽しい」、「仲良し」というレベルではなく、「見捨てられる」というイメージを持ってしまうのです。小学校の教室での子どもたちを見ても、「あ~、この子は、このままでは私の教え子のようになってしまう」と思ってしまいます。

 三十年前の私はその現実に耐える術を知らなかった。だから全てを自分で背負ってしまった。しかし、背負えるわけありません。結局、自分を責めつつ、自己憐憫に浸ることを繰り返しました。結局、高校教師に挫折し、大学に逃げ込みました。今は『学び合い』が分かる、だから、その様な現実と向き合うことが出来ます。それは、「その子」よりも社会を変えることに力を尽くす。そして、一人で抱えずに、みんなで解決する。

 いずれにせよ、勤めている学校によって子どもの苦しみがどの程度かをイメージするかは違います。私は「一人も見捨てない」が基本です。

 しかし、一方、私のクラスである。西川ゼミに対しては「一人も見捨てない教育・社会の実現」を求める一方、「ゼミにおいて一人も見捨てない」ことを直接求めることは極めて希です。5、6年に1度でしょう。従って、ゼミ在籍中に一度も言われなかった人が多いと思います。

 理由はそれを連呼し続けると、「徳」を強調しすぎることになります。結果として、集団に無理が生じます。集団に無理を生じさせないためには「得」を繰り返し語るべきなのです。だから私「も」一人も見捨てないを連呼しません。

[]徳は得 05:50 徳は得 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 徳は得 - 西川純のメモ 徳は得 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 長文ですが、我がゼミの方針です。徳は得です。http://goo.gl/th4IIH