■ [う~ん]愚痴
愚痴です。
私は理科教育学で育てられました。
大学院の専攻は理科教育学です。
平成12年に理科教育学会賞をもらいました。(現在まで受賞者10人)
平成19年から25年まで日本理科教育学会編集委員会委員長を勤めました。
平均的な教科教育研究者の業績の十倍以上の業績を上げ、様々な学会から賞をいただきました。
ですので、理科教育学の研究者と生きれば、安泰の時間があります。
なんもしなくても、重鎮の位置を退職までキープできます。
かなり不遜ですが、40歳前にそのポジションにいたるように走りました。
今でも、学生さんから理科に関する質問を受けると、ウキウキします。
時々思います。
理科教育学関係の学会に参加し、理科の話題で、若い頃、苦労を共にした仲間と話せたらきっと楽しい。若い頃、飲み明かした他大学の仲間のことを思い出します。
なんで、「スイミー」や「平和な国日本」や「雇用社会の変化」のことを考えているのだろう。と。
■ [大事なこと]職能
この人達に勝てる授業を出来る人がどれだけいるでしょうか?
今後、中学校版、小学校版も充実するでしょうね。
そうなったときの教師の職能とは何か?
急いで考えるべきです。
「先生、こっちの方が分かるから、勉強させて」と成績トップの子が言ったとき、教師はなんと応えますか?
http://topic.chiebukuro.yahoo.co.jp/pr/manabi_aid/index.html
結論から言えば、絶対に勝てない。
そこにアップされている人でさえ。
だって、組織対個人では、個人では勝てるわけない。
だから、勝てない勝負はしないこと。
■ [大事なこと]お願い
しつこいですが、「2020年激変する大学受験!」(学陽書房)を保護者に紹介して下さい。
高校の保護者ばかりではありません。早ければ、早いほうが良い。小学校高学年でも遅いかもしれません。
先だって、この本に書いてあることを講演しました。講演の後、高校の先生から「どのように子どもに指導したら良いでしょうか?」と聞かれました。聞けば、その先生の勤めているのは2番手、3番手の普通科高校です。ジョブ型でない普通科高校の子どもが就職出来ないのです。昔だったら卒業生が就職するような中小企業(小に近い)に、非ジョブ型の大学卒が就職するようになったのです。
残念ながら、2番手、3番手の普通科高校に進学した段階で、かなり手遅れと言えます。私は専門学校に進学しジョブ型能力を獲得することを勧めました。それぐらいしか思いつかない。ところが、専門学校は低く評価されているため、進学しないそうです。残念ながら、そうであるならば、その学校の子ども達の未来は暗いものです。
この本を書店で手に取る人は、アンテナの高い保護者です。教師と違って必死になって情報収集している人です。そのような人は、あの本で書いていることの多くは知っています。断片的な知識を社会の変化の視点で整理することに関して有効です。しかし、おそらく教師はビックリでしょうが、アンテナの高い保護者は多くの部分を知っています。そして、対策をとっています。
でも、あの本を本当に読まなければならないのは、旧帝国大学、旧高等師範、早稲田、慶応に進学しない子どもの保護者、つまり日本の95%の保護者なのです。そのような保護者は受験本を買いませんし、読みません。そして、我々が持っている「中卒より、高卒がよく、高卒よりは、大卒が良い」、「職業科高校より普通科高校の方がいい」、「文系学部の方がつぶしが効く」、「同じ高校、同じ大学だったら、偏差値が1つでも高い方がいい」という至極単純なモデルを持っています。その結果として、今、子ども達は非正規雇用に流れ、年収170万円以下の生活になってしまうのです。そして、高学歴が良いと思って育英会で金を借りた子どもは破産の道に行ってしまう。
急がなければなりません。
中途半端な学歴より、確かなジョブ能力の獲得が大事であることを理解して欲しい。
大都会より地元にこそ未来があることを理解して欲しい。
かつての農村のように、夫婦共稼ぎ、三世代、四世代で支え合う生活しか出来ない未来が来ていることを理解して欲しい。
グローバルエリートを目指し、非正規雇用になるより、ローカルエリートとして輝く人が増えて欲しい。
今、憧れられている職業は実は斜陽であることを理解し、自らがニッチ市場を開拓する必要を理解して欲しい。
繰り返します。
あの本を本当に読まねばならない人は、何も言われなくても本屋の受験本を手に取るような親では無いのです。つまりみなさんのクラスの保護者の大部分なのです。
みなさんの教え子の半数は年収170万円以下の生活に突入します。そうなった時に、どう生きるかを考えなければ、餓死・孤独死になる可能性があります。
http://goo.gl/erc2Rt のカスタマーレビューをご覧下さい。手厳しいですが、正鵠を得ています。アンテナの高い保護者は知っているのです。その人達は、今の教室をどのように見ているか。その人達の反乱は近いのです。でも、おそらく、大多数の方はあの本で書かれていることを知らない。そして、圧倒的大多数の保護者もそうです。つまり、勝ち組と負け組の差がものすごく大きいのです。私はとても怖いのです。
早く旧来のモデルを脱すれば、我々の時代より遙かに幸せな社会が来ます。つまり、誰もが自らの幸せを創造できる社会です。つまり、誰もが幸せになれる社会です。
■ [大事なこと]心理学
素朴理論によれば我々は生まれつき、素朴物理学、素朴生物学、素朴心理学を持っているとしている。私はそれは正しいように思います。代表的なものとしては、赤ん坊はガラスでできた橋を渡ろうとはしません。
物理学も生物学も学校教育で学びます。ところが心理学は殆ど学びません。また、国語や道徳で間接的に学ぶ程度です。それも、かなり怪しい推論に基づくものです。学校で個人の心理学や、組織運営を学ぶべきだと、私は思います。(その中には『学び合い』も、なんて)
でも、学べば、今の学校教育が、いかに愚かであるかが分かります。
最近、コメニウスの大教授学を再読しましたが、今の教育、特に形骸化した問題解決学習で言っていることが、そのものずばりです。古いな~っと思います。デューイも泣いているでしょう。
■ [大事なこと]アドラー心理学
アドラー心理学と『学び合い』の関係を聞かれることは少なくありません。その度に応えることです。
アドラー心理学は個対個の人間関係に関して極めて有効だと思います。アドラー心理学の子育本が出ていることが端的に示していると思います。だから、個対個の関係を教師と子どもと結ぶべきだし、結べると思っている現状の教育では、それを利用しようとするのは当然です。
しかし、アドラー心理学レベルの配慮や手立てを数十人の子ども相手に一人の教師が出来るとは、私は思いません。
じゃあ、どうするか。
子どもにアドラー心理学を学ばせ、そのような子ども集団を『学び合い』で管理する。と私は思っています。