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基礎的質問

 ゼミ生達は隔週で『純』喫茶という、ゆる~~~~~い、『学び合い』の会を開いています。まあ、ゼミ生達も参加して、色々なことを話し合える場を提供しています。私自身はそこに直接参加しません。しかし、ブレイクアウトルームの一つに「純の部屋」というスペースがあり、私と話したい人がそこに入ってくるのです。

 私は研究室にいて、色々な仕事をこなしています。私のコンピュータ画面の一つに「純の部屋」があって、画像と音声をカットしています。私と話したい人はそのブレイクアウトルームに移動し、「西川先生~」と声をかけると、仕事の手を止めて画像と音声をオンにします。

 本日の質問者の質問の中に、基本的で多くの人が疑問に思うことが含まれていたので、ここに書きます。

 第一の質問はアドラー心理学を活用した教育と『学び合い』の違いです。二つあると思います。一つ目は達成したいものです。アドラー心理学を活用した教育は、多くの教育実践と同様に、面白い授業、分かりやすい授業、安心できるクラスを求めています。つまり、「今」なのです。小学校の先生ならば1年間、中高の先生ならば3年間が視野です。一方、『学び合い』の視野は子どもの一生涯を視野におき、そこからたくし上げた今の授業があるのです。

 この違いによって、今、何が大事なのかが見え方が違います。具体的には、毎日、毎日の授業の出来不出来に一喜一憂するのではなく、長期のスパンで考えます。

 二つ目は、対象です。アドラー心理学をアドラー自身は個人心理学と呼んでいました。まさに、それに尽きるのです。個人を対象とする心理学として非常に優れていると思います。例えば、妻や我が子の接し方に関して有効です。親しい友人との接し方、上司との接し方に有効です。教室においては、子どもが子どもと接するには有効です。だから教室にアドラー心理学の本を置き、子どもが読むことはいいでしょう。しかし、そのような接し方を三十人に適用することは出来ません。『学び合い』は一人の教師(つまり上司・管理者)が集団にどのように接するべきかを明らかにしています。職員室におきかえると、職員室の先輩後輩の関係はアドラー心理学が有効で、校長だったら『学び合い』です。

 第二の質問は、自分と子ども達との関係を正確にモニターできない、どうしたら正確にモニターできるかという質問です。私は「出来るわけないじゃない、自分は自分に対しての願いや偏見を持っている。そのような自分が自分を正確に評価できるわけないよ」と言いました。「では、どうしたらいいか?」と聞かれたので以下のように答えました。

 非常にシンプルなルールを自分に課し、それを守ることが正しい子どもとの間合いを保てる方法です。私の場合のルールは以下の通りです。

 基本的に、一対一で会わない。一対多で会う。一対一で会うと甘えが出ます。一対多出会えば、そこでの話題は一定のストップがかかります。これが健全に維持できるために、一対一で相談し合える集団を創ることです。同年代に一対一で相談し会える人がいれば、40年も年齢差のあるおっさんに相談したいとは思いません。

 私はゼミ生に嘘は言いません。何故かと言えば、バレるからです。リンカーンが言ったように多くの人を長く騙すことは不可能です。だから、私にとってゼミ生は他人であり、大事なのは妻であり子であり、家族であることを公言しています。これは大事なことだと思っています。

 個人的に頼まれたとき、そのことをゼミメンバー全員に出来るか否かで、それをするかしないかを決めます。例えば、私はゼミ生の結婚式には参加しません。ゼミ生同士が結婚した場合もです。何故なら、私のゼミのゼミ生は多いので、それを受けていたら財政的に破綻してしまうからです。だから、全員に対して参加しません。

 以上を守っています。

追伸 本日の質問者の中にカンボジアの大学で教えている人が参加しました。面白い時代だと思います。