■ [大事なこと]約束

私はヘビースモーカーでした。なにしろパイプや葉巻を常用している変な大学生でしたから。
大学院のある日、ファミレスで、同じ研究室の同級生と「禁煙しよう」話がまとまりました。そこで持っていたタバコをそのファミレスで吸いきりました。そして、禁煙です。
勢いで決めました。でも、心の中で同級生の方が先にねをあげるであろうと考えました。そうしたらさんざん馬鹿にして、吸えばいいと思っていました。が、同級生がねをあげません。考えてみれば、相手も私が先にねをあげると思っていたのです。そして、私をさんざん馬鹿にすることを楽しみにしていたのだと思います。
我がゼミにタバコを吸っているゼミ生が少数います。若い頃はタバコを吸っていても大丈夫です。しかし、それが私の頃に効いてきます。命の問題です。だから、何度も禁煙するように言います。そして、その学生は禁煙します。しかし、タバコを吸ってしまいます。それが繰り返しました。
ある日、心の底からその学生を軽蔑し、その目で見つめました。そして、約束を簡単に破り、それを恥じない人間は「くず」だと言いました。キツい物言いですが、その学生はそれを受け取れる学生と信じています。(言うまでもないことですが、ゼミ生や大事な人でなければ何も言いません。その代わりに一緒に仕事をしなければいいのです。仕事を一緒にしなければ、約束をする必要はありませんから。)
昔、武士は借金の証文に「もし返済できないときは、人中でお笑いいただいても結構です」と書いたそうです。人中で笑われると言うことは、それを恥と思う人のコミュニティーの中からはじかれることを意味します。それは武士として生活できないことなのです。
口約束は破っても罰せられません。しかし、それだからこそ重大なのです。何故かといえば、信用を賭けているからです。破れば、口約束をした人の信頼を失い、軽蔑されます。時間がたてば許されることはあるかもしれません。しかし、一度破れば、その十倍以上のことをしない限り、信用を回復できません。ならば、口約束を守る方が、楽です。
追伸 私は病的に約束を破るのが怖いです。出版社等から原稿依頼が来たときには「諾否」のはがきが入っています。しかし、諾否のはがきを返信しません。直ぐに原稿を書き上げ、それを出版社に送ります。そうすれば、絶対に「諾」と返答して、約束を違えることは有り得ないからです。ま、「試し酒」(https://www.youtube.com/watch?v=GBz2kp7ImFQ)のようなものです。多くの人は出来ないことでしょうが、昔から約束を破るのが病的に怖い私の性分で筆が速くなりました。もちろん、断るという方法もありますが、私には実現したい志がありますから断りません。
■ [お誘い]サバイバル・アクティブ・ラーニング入門

1月にでる本の第一弾がネットにアップしました。「サバイバル・アクティブ・ラーニング入門」(http://goo.gl/GHcaLj)です。今までのアクティブ・ラーニング本では、入試制度との関わりでアクティブ・ラーニングを読み解きました。今度は、その裏にある雇用制度の変化を中心に書きました。方法論のアクティブ・ラーニング本とは別次元です。なお、いち早くお手に取りたい方は、お近くの書店がお勧めです。アマゾンは発売当初、遅れますから。