■ [大事なこと]勝ち組
保護者の勝ち組とはどんな人でしょう?
子ども達を東京大学に入学させた保護者が、勝ち組として本を出しています。
でも、これって勝ち組でしょうか?
子どもにとって東京大学は勝ち組なのでしょうか?
ある地域の話しです。同級生の中で、一人は東京大学医学部に入学し、一人は私立医大に入学しました。学校の成績は前者が断トツです。今は二人ともその地域で開業しています。前者の人の所には患者は多くはないです。後者の人の所には予約待ちで溢れています。
この手の例外事例は、私の時代にもいくらでもありました。しかし、それ自体が話題になるほどでした。しかし、今では話題にもならないほど、ごく一般的なことになりつつあります。東証に上場していない企業の方が、ごく普通に「東大生が入社試験に受けました。しかし、落としました。使えそうもないからです」と言うのです。
保護者にとって東京大学は勝ち組なのでしょうか?
地元から離れた企業に就職する、会えるのは年に5日ぐらい。いや海外で活躍し、ここ数年、会っていない。これが勝ち組でしょうか?
真逆の人もいるでしょう。子どもを五人育てました。みんな高卒で地元企業に就職し、地元の人と結婚しています。その中の一人と同居しています。何かというと、全員が集まり会食しますし、旅行もします。子ども達の伴侶は子どもの頃から知っており、そのうちの半数は学校の同級生です。子ども抜きで家族ぐるみで旅行もします。
はたして、どちらが勝ち組なのでしょうか?
■ [大事なこと]選挙
手前勝手ですが、私は生まれた時期がよかったと思っています。私たちより直前の団塊の世代がもがきながらスタンダードをつくってくれて、私たちはそれを享受しました。バブリーな青春時代を謳歌しました。
が、今はどうでしょう。
私の子どもの時代は「お子様」でした。我々を消費者として大事に扱われたように思います。テレビ番組は子ども番組が多くを占めていました。夏休みには「マンガ祭り」と称して子ども番組のオンパレードです。子ども向けの商品がどんどん生産され、おもちゃ屋さんは夢の世界でした。
ところが、今の子どもはどうでしょうか?上記は全く変わりました。この前、テレビで老人オムツのコマーシャルが流れるのを見て、脱力しました。
そして、彼らは私の経験したようなバブリーな青春時代を経験しないでしょう。就職も厳しいし、生活も安定しないでしょう。それにも関わらず、旧時代の保護者は自分の規準の幸せモデルを子どもに求めます。そして、子どもはそれに洗脳される。これを何とかしたいと思って本を書きました。
政治もそうです。国民のための政治をするのではなく、投票する国民のための政治をします。若い人が投票しなければ、若い人のための政治は行われません。投票にいきましょう。投票にいけば、そして統計に表れれば、政治家は意識します。
確たる支持政党がなくたって良いと思います。「なんとなく」でもそれらが多くなれば集まれば集合知になるとジェームズ・スロウィッキーは書いています。「意識高い系」が物事を決定するのは、革命などの特異な時期だけです。民主主義が成立する前から、物事を決めているのは多くの人です。昔から政治は利害の取引所なのですから。
十八歳投票は最近に希な明るいニュースです。
みなさん、若い人に投票に行くことの意義を語りましょう。そうでないと、団塊の世代と私の世代が骨の髄までしゃぶり尽くした日本を若い世代に残すことになります。
■ [大事なこと]沈没船
ネットを見ると「・・・・が日本を滅ぼす」という言葉を見ます。最初の部分は様々です。が、私には沈没船の中で「空調の設備が老朽化している」、「火災報知器が不備である」というようなことを声高に叫んでいるように思えてなりません。たしかに大事かもしれませんが、そんなことよりも大事なことがあるように思います。
また、政治家や政党の問題を指摘するものもあります。それも反対/賛成の両方から。その事実を判断する知識がありません。しかし、政治家や政党の資質がそんなに急激に変わるとは私には思えないのです。おそらく、以前も同じレベルなのだと思います。ようは本体である国や国民の変化だと思うのです。
じゃあ、一番大事なのは何か?
私はドラッカーと同じく、人口構成だと思っています。
大学に無理せず進学し、地元で親と同居しつつ高卒で就職する。小中高で伴侶となる人を見付け、若い頃に結婚し、ジジババと一緒になって子育てをする。高度成長期前の社会に一度戻す必要があると思っています。だから、私の出来ることをやります。だから本(「親なら知っておきたい 学歴の経済学」(http://www.amazon.co.jp/dp/4313810927)を書くのです。