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2016-11-16

[]テクニック 15:44 テクニック - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - テクニック - 西川純のメモ テクニック - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』に興味がある方から子どもが学び合っている映像が送られました。そこには、「3〜5人1組だけど相談はグループ外の人にもOKにしてます。名前カードシステムを使っていないので『学び合い』ではないですがいいスタートは切れました。」とありました。

 私は「カードを使うか使わないかではなく、教師が全員達成を求め、子どもたちがそれを目指しているならば、『学び合い』ですよ。」と返信しました。

 私は様々な本の中で、様々なテクニックを紹介しています。しかし、最終的にはそれらは捨てられるのです。事実、私は西川ゼミの運営において、全くテクニックを使っていません。集団全員が、大事なのは集団を有効性を理解し、それによって自分の目的を達しているならば『学び合い』なのです。

 教師が強い願いを持っていれば、ちゃんと子ども達は動きます。でも、「教育は心」と言っても訳が分からないと思います。だから、最初に取り組むときに有効なテクニックを紹介しているのです。テクニックを素晴らしいことを誇るのではなく、テクニックを捨てても子ども集団が動くことを誇るべきなのです。

[]課題 15:44 課題 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 課題 - 西川純のメモ 課題 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 学校レベルで『学び合い』に取り組むとき、「課題が大事なのですよね」と言われることが多いです。たいていは曖昧にうなずきます。違うな~っと思うのですが、やり始めの人に言っても分からないと思いますから。

 「子どもにあった課題」といいます。でも、子どもって誰でしょう?一人一人、全く違います。三十人いたら、三十通りの課題があります。でも、そんなこと無理ですよね?だから、どのような課題がいいのでしょうか?それは学習指導要領に定められていることをやればいいのです。子どもに合わせるのではなく、子ども達が学ぶべきものに合わせなければならないのです。例えば、時間が余る、時間が足りない。それも子どもが合わせるのです。

 では、課題はどうでもいいのでしょうか?

 いえ、課題は大事です。でも、多くの人が思っている課題ではありません。

 例えば、私の研究室には年間にいくつかの課題があります。

 新年度に各ゼミが自分のゼミの紹介を新入院生にします。昨年度から新年度にかけては、ゼミ生はそれをやります。

 9月からは中長期の課題解決型の教育実習を行います。これが3月、いや、次の年度まで続きます。この実習で何を達成するかを計画します。

 そうこうしているうちに「越後『学び合い』の会」の準備をしています。

 次は1月には臨床教科教育学会の発表があります。修士1年、2年、そして学部4年生が発表します。

 終わるとその年度の教育実習のまとめの発表会があり、学部4年、修士2年は自分自身の2年間のまとめの発表会があります。

 このように年間を通して、何らかの発表をするという仕組みになっています。それぞれの課題をゼミ集団で解決します。

 そのような課題を、年間を通じて配置し、一つ一つの課題の意味を理解させて、集団で取り組ませる、これが「課題」です。これさえやっておけば、自然と高レベルの達成がなされます。