お問い合わせ  お問い合わせがありましたら、内容を明記し電子メールにてお問い合わせ下さい。メールアドレスは、junとiamjun.comを「@」で繋げて下さい(スパムメール対策です)。もし、送れない場合はhttp://bit.ly/sAj4IIを参照下さい。             

2016-11-27

[]文化 20:05 文化 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 文化 - 西川純のメモ 文化 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 『学び合い』に出会って半年ぐらいの現場経験のない学生が、百数十人の子どもの前で授業をして、2時間で子どもの変化を引き起こす。

 こんな無茶なことを「旅費さえ出せば、ゼミ生を派遣します。2時間で子どもを変えてみせます」と私は豪語しています。

 でも、もっと凄いのは、「○○で飛び込み授業があるけど、誰かやる?」と聞くと若い学生たちが手を上げると言うことです。

 3年前からゼミ生の飛び込み授業をはじめました。初めは現場で5年以上『学び合い』を実践して、『学び合い』を深めたいと願って大学院に入ったバリバリの確信犯がはじめました。でも、最初はドキドキでした。頭の中では出来ることは分かっているのですが、とにかく不安がっていました。それが今では西川ゼミに入って半年ぐらいの学卒院生がやるのですから。文化というものだと思います。

 さて3年後にゼミ生集団はどのように変わるのでしょうか?

 本を出し、講演をする、このレベルは想定内です。

 でも、教師の醍醐味は子どもが私を凌駕するときです。

 ワクワク

[]潮目2 17:57 潮目2 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 潮目2 - 西川純のメモ 潮目2 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 全日本的には潮目を超えたと感じますが、上越はまだです。ちなみに私は上越に三十年勤めていますが、講演会に呼ばれたことはいままでに片手しかないのです。(ちなみに出張を伴わないので対外的に求めるレートを求めません。中には清酒一本のところも含めて片手です)遠方の方はたいていビックリします。

 また、上越教育大学教職大学院も潮目はまだです。今から約二十年前、『学び合い』研究が本格化するまでは現職教員が西川ゼミ院生の主流でした。しかし、『学び合い』研究が進むにつれて、学卒院生が多くなります。現職院生は『学び合い』実践者で、私の所に学びたいから大学院に入ったという確信犯が大部分です。

 私は、私や『学び合い』をよく知らないけれど、「一人も見捨てないことにこだわる」ということに共感して私のゼミに所属する教員が増えたとき、潮目が来たと思っています。まだまだです。ま、私の不徳のなせるものなのでしょう。

[]同じ願い 17:33 同じ願い - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 同じ願い - 西川純のメモ 同じ願い - 西川純のメモ のブックマークコメント

願いがある人は、同じ結論になります。

願いのない人は型に走る。そして、それを人に強いる。例えば、県指定の○○方式、○○メソッド・・・・・

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20060518/1147918888

以上は10年前のメモです。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/minif/20161127/1480234557

なお、極端になるとこんな先生も生まれます。

http://manabiai.g.hatena.ne.jp/jun24kawa/20080928/1222567659

こうなると自己満足と言うより、害毒ですね。

[]吉祥寺の会 14:51 吉祥寺の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 吉祥寺の会 - 西川純のメモ 吉祥寺の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 12月4日に吉祥寺で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。http://kokucheese.com/event/index/441123/

[]評価 10:35 評価 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 評価 - 西川純のメモ 評価 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 少なからざる教育関係者を敵にするようなことを書きます。

 少なからざる都道府県には○○プランとか○○メソッドというような授業方法の縛りがあります。聞いてみると、学力向上のために秋田県の方法を参考にしてつくったというそうです。

 しかし、断言します。それらを秋田県の「先生」に見せて、「これは秋田県の授業方法に基づくものですよね?」と聞けば、笑い出すでしょう。十歩譲って、秋田県の誰かの考える授業方法かもしれませんが、秋田県の先生方の授業方法ではありません。

 そして、不思議なことなのですが、授業方法の縛りは強い一方、それによって成果が上がったという検証が殆どなされていません。十歩譲って、おおざっぱな分析はなされていたとしても、それが授業方法による効果であることを検証していません。まあ無理でしょう。私の知る限り、学術的に効果があることを保証しているものはありません。ま、ナイーブ(素人的なという意味で学術の世界では最高の侮蔑)なものばかりです。

 では、何故、そのようなものが横行するのでしょうか?

 それは行政だからです。仕方がありません。

 行政は何かをしなければなりません。そして何かをしたことを文章で示さなければなりません。だから、ナイーブであっても方法をつくります。そして、学校現場を強います。

 学校現場もいろいろと文句を言いますが、結局お上から言われたことをやっていれば責任を負わなくてもいい。だから、学校の全員にそれを強います。

 そして行政は、良い評価を報告しなければなりません。だから、厳密に効果を検証できないのです。それは学校も同じです。

 ということで、どうでもいい方法が生まれ、予定調和的な結果が出る。

 仕方がありません。行政だから。学校だから。

 それ故、高校の教育行政ではそのような授業方法が生まれません。何故なら、大学入試というハッキリとした評価があるからです。だから、行政も責任の負えない授業方法を生み出そうとはせずに、結果を求めることになります。

 『学び合い』実践者に申します。

 戦わないで下さい。授業方法を強いている人だって、役目上、強いているのです。たいていの人は、あなたが思いつくような馬鹿馬鹿しさを理解しています。だから、何を言っても変わりません。でも、繰り返しますが馬鹿馬鹿しさは理解しているのです。その人は、「そんなこと言われても困るよ。うまくやってよ~」と思っています。つまり、従ったふりをしましょう。行政と教師が劇をしましょう。馬鹿馬鹿しいですが、それが組織というものです。

 立法の方にお願いします。結果をただして下さい。ただし、やんわりとね。そして、強いる方法は例示しているという言質を取って下さい。つまり、それ以外もOKであることを明確にして下さい。そうすれば我々は結果を出します。くれぐれも『学び合い』を強いないで下さい。強いて出来るような授業ではありません。心で実践するのが『学び合い』ですから。

 時間がかかりますが、こうやるしか大きな組織を動かすことは出来ません。

[]ホウレンソウ 08:15 ホウレンソウ - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - ホウレンソウ - 西川純のメモ ホウレンソウ - 西川純のメモ のブックマークコメント

 報告・連絡・相談、ホウレンソウと呼ばれ、職場では大事なことだとされています。

 が、西川ゼミでは報告・連絡を私にすると「なんで私に言うの?」と呆れた顔で言います。相談もレベルの低い相談をするならば、同様に「なんで私に言うの?」と言います。

 なんでそうしているか?ホウレンソウを受け入れると、ゼミ生が私に依存するからです。そして、自分たちの頭で考えないから。じゃあ、大丈夫か?

 大丈夫です。一つのルールがあるからです。

 決めるときは独り決めせず、ゼミで話し合って決めるというルールです。

 私がどう考えるかはゼミ生は分かっていると信じています。私は一貫した行動、判断をしていますから。そして、それは文章化しています。少なくとも、それを分かっているゼミ生は一定数います。だから、ゼミ生は私の判断を仰ぐ必要はありません。

 ではリスクはないのか?

 ありません。例外も明確に規定しています。

 西川ゼミの看板を掲げて他の組織に「初めて」入るときと、物品の購入の2点だけは私に相談することを求めています。これ以外だったら、たいした問題になりません。まあ、起こっても、私が謝ればいいだけのことです。

 私がホウレンソウを受け付けないことを分かっているので、私に依存せず、自分たちの頭で考えるようになる。三十二人の頭で考えたことに私が勝るとは思えません。

 以上が、ゼミの経営方針です。

追伸 校長がそうすれば楽で成果が上がるのに、と思う校長もいます。

[]あそうか 06:57 あそうか - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - あそうか - 西川純のメモ あそうか - 西川純のメモ のブックマークコメント

 研究者出身の私は教育研究に満たされなかった。数多くの学術論文を書き、多くの学会から賞をいただいたが、教師の心を満たせなかった。「おまえの研究は子どもを救えない」という声が耳元にささやき続けた。だから変(少数者であるという意味)な研究者になってしまった。でも、教育の世界は大きくなかなか動かない。

 そんな私は長らく実践界の巨星をうらやましく思っていました。大村はま、斎藤喜博ではなくとも、私の時代と重なる巨星はいます。そして、今、頑張っている中堅・若手がいます。最近はその人たちと同じレベル数の本を出し、講演会を開きます。そうなってみると実践界の人たちの苦悩も分かります。伝えられる人はいるけど、圧倒的大多数は伝えられない。そして、伝えられる人だと思っていた人が、そこそこ授業が出来るようになると普通の教師になってしまう。さらに言えば、自由な大学人と違って小中高の教師はしがらみも多い。そして、上からの縛りも強い。年齢が上がれば、自由な情報発信が出来にくくなる。大変だな~っと思う。

 結局、学術も実践も、教育という巨大組織を動かすには十分な力を持っていない。

 じゃあ、今の私はどうか。

 そりゃ、仲間がいる。全国各地に。ゼミ生、OGBがいる。その人たちとやればいい。だから、大変だけど楽観的になれる。みんなでやればなんとか出来る。

[]潮目 06:34 潮目 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 潮目 - 西川純のメモ 潮目 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 「潮目は5、6年前に変わっている」、「危機感を抱いている一部の人と、そうでない大方の人たちとの距離がどんどん離れて行っている」という堀さんのコメントを考えています。

 今から十数年前にゼミOBに「十年で日本を変えてみせる」と豪語し、OBもニコニコして応えました。変わったというのはおこがましいが、地方大学の一教師として望めるレベルを遙かに超えたことは確かだと思う。『学び合い』が広がった当初は、ネット上での攻撃はひどかった。批判を受けるのは了解できるが、やくざみたいな攻撃をする人が何人もいた。そういえば、最近はそんな人が殆どいない。それも潮目なのかもしれない。

 一方、「危機感を抱いている一部の人と、そうでない大方の人たちとの距離がどんどん離れて行っている」ということも、そうだよな~っと思う。アクティブ・ラーニングの一連の流れから、一斉指導がアウトローになりつつある現在、追い詰められ、意固地になっている人がいる。おそらく明確な批判は行政から来ないだろう、だって、行政にいるのは一斉指導で実績を上げた人だから。しかし、子どもや保護者からの批判は高まるだろう。今後の社会の仕組みを理解するから。勉強するのだったら、一斉指導の授業を受けるより、ネット上にある優良な授業をストップしたり繰り返して聞いた方が遙かに有効だ。ICTが広がれば、子どもたちが主体的にネットを利用することは避けられない。

 明治維新においても時代の変化を理解する人と理解したくない人の差は広がっただろう。で、どうなったか?理解したくない人が理解するようになることによって解決することはなかった。理解したくない人が退場することによって解決した。天の采配か、あと5年で大量退職、大量採用の時代だ。つまり、逃げ切れる人が退場し、逃げ切れない人が登場する。

 来年度当初までに小学校教師個人としての「期待プロダクト」はラインナップをそろえられる。新任教師がかつてのTOSS本のように使ってもらえたらいいな。まずはテクニックから、やがて考え方にいたり、その考え方で言葉通りに自分が子どもたちの将来を決めていることを理解して欲しい。子どもの将来を決めているのは、日本国首相ではなく、我々教師だということを。何故なら、子どもたちの将来を決めるのは、仲間をどれだけ持てるかだから。

 さて、大量採用される若者にどのように伝えたらいいか?そして、その若者が「分かりたくない人」からの圧力にどのようにかわすか。どうしたらいいのだろうか。そのツールは出したし、今年度中に出す。その他に何があるか・・・。あ、ゼミ生に語ったから、きっと彼らが答えを出してくれるだろう。57歳のオッサンより的確で素晴らしい答えを。ふぉふぉふぉ。

 以上、とりとめもない、妄想の流れ。