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2019-01-01

[]医者の勤め 10:23 医者の勤め - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 医者の勤め - 西川純のメモ 医者の勤め - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある化学療法をしなければ確実に死ぬと分かっているガン患者がいたとします。その化学療法は患者にとって辛いものであり、100%完治するとは限らないとします。患者が化学療法を嫌がってダダをこねるとします。医者として化学療法を薦めますか?薦めますよね?

 でも、その医者がその患者がガン患者だと判断していないならば、また、ガン患者だけど別の楽な療法で治ると思ったら化学療法を薦めませんね。

 『学び合い』では「一人も見捨てないこと」を子ども達に求めます。「一人も見捨てないこと」はかなりハードルの高い要求です。子ども扱いのうまい教師だったら、子どもから不満の起こらないように「一人も見捨てないこと」を求め続けられます。しかし、そうでない教師だったら、「一人も見捨てないこと」を求めることに不満が起こり、ダダをこねるかもしれません。

 さて、教師として「一人も見捨てないこと」を求め続けられますか?

 それは、その教師が、1年間、いや、1ヶ月で考えているか、50年、60年、70年の視野で考えているかによって分かれるでしょう。また、大部分の子どものことを考えるか、全ての子どものことを考えるかで分かれるでしょう。

 その授業のことを考えれば、大部分の子どものことを考えれば、「一人も見捨てない」ことを求めない方が良い場合もあります。しかし、50年、60年、70年の視野で考えれば、表現方法は加減しますが「一人も見捨てないこと」ことを求めるべきであることは自明です。何故なら、それ以外に全員の一生涯の幸せを保証出来ないからです。全ての子どもの一生涯の幸せを保証することは一人の教師に出来るわけないのですから。

 ちなみに、私はゼミ生に「一人も見捨てないこと」を求めたとは無いと思います。しかし、「一人も見捨てないことが得である」と信じ切っている私の生活の仕方、仕事の仕方を見せています。そして、それをゼミ生が実感できる場を出来るだけ与えています。それがホモサピエンスの自然な学びの姿です。しかし、縛り多い今の公教育では難しい。だから「一人も見捨てない」ことを言葉で伝える必要があるのです。

[]妄想 07:05 妄想 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 妄想 - 西川純のメモ 妄想 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 毎年、年末・年始に妄想をします。

 2018年を振り返って、私の一番の変化は、公教育に対して諦めたことです。

 慌てて申しますが、公教育にお勤めの先生方は大いに期待しています。巨大組織である公教育です。例えば、名古屋市でイエナプランを導入しようとしていますが、まず無理でしょう。多くの教師が、よってたかって形骸化するでしょう。一部の特区的な学校を創り、それを広げようとするのだったら可能性があるかもしれませんが。

 だから、持続的イノベーションの公教育において、破壊的イノベーションで生き残れる子どもを育てられる仕組みを考えていきたいと思います。今回、出版した「緊急提言eポートフォリオ構築法」(https://amzn.to/2BUt455)もささやかな抵抗策です。「緊急提言eポートフォリオ構築法」を読まれた小中高の教師の方々は、これの意味することは分かりますよね?

 来年度からフリースクールに関われることになりました。「2030年 教師の仕事はこう変わる!」(https://amzn.to/2EZXpDh)で描いた破壊的イノベーションをどれだけ実現できるか、妄想しています。いや、既にゼミ生たちが妄想しています。

 2018年当初、私がこんなことを考えるであろうということを予想していませんでした。

 2019年、私はどう変わるか、想像も出来ません、ということを想像しています。

 公教育をもう一度なんとかしたいと思っています。

 多くの若い人たちが公教育の教師を目指し、志ある教師が公教育を捨てないような公教育を復活させたい。でも、それは外圧しかないと思っています。