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2019-03-22

[]大地の会 21:38 大地の会 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 大地の会 - 西川純のメモ 大地の会 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 3月31日に大阪で『学び合い』の会が開かれます。お誘いします。https://kokucheese.com/event/index/558114/

[]次の一歩に進むために 20:14 次の一歩に進むために - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 次の一歩に進むために - 西川純のメモ 次の一歩に進むために - 西川純のメモ のブックマークコメント

 毎年、この時期に書くことです。

 今年度から『学び合い』に取り組んだ方だったら、もう山は越えていると思います。『学び合い』は最初の3ヶ月ぐらいが山です。それを超えれば、「あ~、こうすればいいのね」という感覚が分かります。そして3学期を終わる頃には、「こんな風に子ども集団は変わってくるのね」という感覚を得ます。

 思い出して下さい。

 教員人生で一番忙しかったのはいつです?おそらく初年だと思います。ところが、2年目になると忙しさがグッと緩和される。何故かと言えば、1年というスパンでものを考えられるようになるからです。そこで分かれ目です。流せるようになること慣れるか、その先を進むことを望むか。

 後者の方のための本を用意しています。私の本の大多数は、最初の3ヶ月をのりきるための本です。いわば初級編です。1年の流れをとらえた方のための中級編の本として以下を紹介します。今のうちに読んで新年度に備えませんか?

 汎用的能力をつけるアクティブ・ラーニング入門(https://amzn.to/2U3OaZI

 『学び合い』の手引き:アクティブな授業改革編(https://amzn.to/2Ftv7A7

 『学び合い』の手引き:ルーツ&考え方編(https://amzn.to/2TRCutR

 上級編は、授業方法ではなく、これからの社会はどういう社会であるかとか、集団を管理するための経営学に関する本を読むことです。

 代表的な私の本は以下の本です。いずれも基本的に『学び合い』に関して書いていません。

 学歴の経済学(https://amzn.to/2TRCGJB

 サバイバル・アクティブラーニング入門(https://amzn.to/2Fs4GdR

 2030年教師の仕事はこう変わる(https://amzn.to/2U60wk4

 緊急提言eポートフォリオ構築法(https://amzn.to/2ukKXGM

 そして、『学び合い』に参加し他の実践者同士の会話と熟考です。そして、自らが会の主催者になることです。

[]無駄 17:59 無駄 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 無駄 - 西川純のメモ 無駄 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 昨日、「受験勉強がものすごく馬鹿馬鹿しいことであることを知っています。そんなもののために息子の1年間を費やすなんて考えられません。そんな受験勉強中、心の中で「こんなの屑だ」と思いつつも、尻をたたき続けた自分を嫌でした。」と書きました。

 本日、ゼミ生から「受験勉強は本当に無駄ですか?」と聞かれたので応えました。

 まず、どんな勉強だって、それなりに役立つものがあります。しかし、その時間をかけるだけの価値があるかを考えたとき、無駄と言えるのです。1年間は、あることに集中し、戦略的に解決するというトレーニングにはなります。それなりに価値がある。しかし、2年間やるほどの価値は無いと思います。何らかの理由(例えば、部活動に燃えて9月頃まで受験勉強をしなかった)がある場合は、浪人して勉強する意味はあるでしょう。高校3年生の時に受験勉強しなかったのですから。しかし、2年かけて受験勉強しても、覚える速度と忘れる速度が平衡状態になってしまうように思います。

 私は大学では生物物理学を専攻しました。そのため、数学、物理学、生物学を学びました。その結果分かったのは、大学で学ぶ数学、物理学は、高校までに学ぶ数学、物理学とは縁もゆかりもないことが分かりました。高校までで学ぶ数学は計算法で、大学では「計算可能であるか?」を学びます。高校までに学ぶ物理の大部分(つまり古典力学)の公式は、F=mαを3次元に拡大し、微分したり積分したりすれば導かれます。大学の数学、物理学にフィットする人は、中学校から大学の教科書で学ぶべきだと私は思います。私は高木貞治の解析学概論、代数学講義、ファイマン物理に驚喜しました。

 でも、数学、物理学はまだいい。高校までで学ぶ生物は大学で学ぶ生物学と無関係です。それが証拠に、生物学を専攻する学部で生物学を必修としない大学は山ほどあります。私の時代だったら、中学校時代からワトソンの分子生物学を読むべきです。

 個別最適化した教育が実現できるならば、真性の学問を薄めて学ぶのではなく、真性の学問を早い時期から学べます。多くの人がウオッカを飲めないからという理由で、それを100倍に薄めてみんなで飲んでいるようなものです。ウオッカを100杯に薄めたら単なる薄いエチルアルコールで、美味しくありません。いや不味い。ウオッカを飲めない人は、ウオッカを飲まなければ良いのです。他のものを飲めば良い。数学や物理にフィットすることは偉いことではありません。単に相性の問題です。

追伸 小中高の数学教育を大事にしている方の多くは、大学で数学を専攻された方は多いと思います。生物物理学を専攻している私ですら上記のように感じたとしたとしたら、その方々は小中高の数学と大学の数学の違いをご存じなはずです。それなのに、数学云々で拘る理由が私には分からないのです。