■ [大事なこと]予算
私の大学院での指導教官は文部省の教科調査官でした。その先生から教えてもらったことです。学習指導要領で、「これこれの実験をすること」と一言書くためには、全国の学校にその実験が出来るだけの機器があるか、なければそれを買えるだけの予算を確保する必要があるのです。本省の役人は、ほんの一言にも慎重であると教えられました。
働き方改革を推進しようとしていますが、超勤4項目に反する残業が4%以内に収まるとは絶対に文部科学省の担当者は思っていないのでしょう。だから、給特法を廃止するなど、絶対にありえません。
という結論に、どのような理屈を付けるか、です。
結局、お金の問題です。
■ [大事なこと]必然性
昔から英語を上達したければ、英米人の恋人を持てと言われます。日本の英語教育の決定的に欠けている点は、必然性なのです。ITだって必然性です。私が高校時代にヒューレットパッカードの計算機を使ったのは生徒会会計として計算プログラムが必要だったからです。私が大型コンピュータを学んだのは、統計分析のプログラムが必要だったからです。だから、その必然性が無かった学部一年のコンピュータの時間は無意味でした。私がICチップでコンピュータを作り、機械語、アセンブラ、I/Oを学んだのは、コンピュータでヴィデオをコントロールしたいと思ったからです。
今、政府のやっている英語教育、IT教育には、この必然性が決定的に欠けています。導入しようとする人達は必然性を理解しています。しかし、そのような抽象的な必要論は子どもには通じません。そもそも教師自身が来たるべき時代をイメージできないのですから。
だから、仕掛けが必要なのです。
我々は僻地小規模小学校で小学校英語の実践をしました。子ども達に自分たちの地域を発展させるためには、観光客が必要だと言いました。どうしたらいいかを問うと、HPで宣伝したいとなりました。そこで、我々は外国人の観光客を増やすにはどうしたらいいかを問いました。ということで、子ども達は英語のHPを作りました。以降は子ども達に任せました。英語はALTと「日本語」でコミュニケートしながら作ったのです。そのうちALTとの人間関係が出来るとALTとブロークンイングリッシュで話すようになったのです。
発想が違うでしょ?でも、これは『学び合い』のような個別最適化した教育だから出来ることです(https://amzn.to/2OFNwid)。工業化社会の今の教育では不可能です。
追伸 ALTの子どものためのレジャーマップづくりもしたことがあります。