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代案

 行政主導の教育改革が失敗する理由は、行政が規格化、同時化、中央集権化という、工場での大量生産をモデルとした工業化社会のコードに縛られているからです。

 例えば、GIGAスクール構想では子ども達に端末1台を配布しようとしています。これは大いなる予算の無駄です。電子黒板の配布と同様な末路になります。断言します。何故かを説明します。

 ロジャーズ、ムーアの理論によれば、我々の16%は苦労しても新たな製品・サービスを使いこなし、大きな成果を達成しようとするイノベーターとアーリーアダプターがいます。そして68%のマジョリティーがいます。マジョリティーは苦労を嫌がります。苦労するぐらいだった現状で何とかします。そして、絶対に変わらないラガートがいます。これは教員集団も同じです。

 さて、上記の通りならば、端末を与えても68%のマジョリティー+16%のラガート、つまり84%の教員は使いません。だって、今まで通りのトーク&チョークの方が楽ですから。そして84%の使わない教員によって、その行動を肯定することが会議で決定されるのです。

 以上で証明終わりです。

 上記の用語が分かる人、つまり、私のノウハウ本以外も読んでいる方、つまり、イノベーターとアーリーアダプターの方だったら、上記は頷かれると思います。勤務校の現状そのままのはずです。

 じゃあ、私がGIGA構想を実現しようとするならばどうするか?

 まず、小中学校での授業での携帯電話使用を禁止しない。(高校では解禁されています)

 保護者が携帯使用の責任を負うならば携帯電話を学校に持ち込むことを認める。

 学校のネットでインターネット接続を許す。

 携帯電話を利用した授業を行政として価値付けし、発信する。

 これだけでいいです。つまり予算0円で出来ます。これが実現すれば、イノベーターとアーリーアダプターは身銭を切っても、それを使いこなした授業を実現します。それの成果が上がれば、マジョリティーの人達も使い始めます。何故なら、身近にイノベーターやアーリーアダプターの同僚がいるので、苦労せず、耳学問で使えるようになるからです。ラガートの人は使いませんが、10年以内に退場するでしょう。

 もしも予算を付けるとしたら以下に付けます。

 学校のネットの容量アップ。

 教育委員会が学校のネットとインターネットの接続を拒否したときの、モバイルルーターレンタル料金の補助。

 経済的な理由で携帯を持てない学習者への端末購入の補助と、料金軽減交渉を携帯電話会社と行う。

 

 つまり、やりたくない人に向かって改革せよと求める無駄をやめ、改革したい人の困難を取り除けばいいのです。多数化工作はアーリーアダプターの人がやります。以上が私の代案です。

 

追伸です。おそらく、上記の本を工業社会人は規格化、同時化の呪縛から「全ての子どもが携帯を持てるわけではない」いうと思います。しかし、全員が持つ必要はないのです。子ども達が関われば、協働で使います。ICTにおける最大のツールは、ICT機器を使いこなす人なのです。ICTの機器を全員が使えるようになるなんて馬鹿馬鹿しい。ちなみに、これに関しても実証的な学術論文を書いています。