私は非常に希な職業人生を全うできそうです。それは、直属の上司の悪口を一言、半句も言わない人生です。
最初の職場は定時制高校です。上司は校長先生ですが、直属の上司は定時制の教頭です。可愛がってもらいました。
大学に異動してからの直属の上司は根本先生でした。天然のいい人でした。とにかく全面的に任せてもらいました。大変だとしたら、呑んだ後のお世話ぐらいでしょう。飲み助の良い先生でした。
次の上司は、戸北先生でした。最初は良き先輩でした。そして根本先生が退職してからは上司です。が、戸北先生のスタンスは変わりません。
戸北先生は徳の先生で、戸北先生の悪口を言う人を知りません。私は学会でかなりやんちゃをしましたが、私と戸北先生の関係は強固であることは学会で知らぬ人はいないので、私は戸北先生の陰に隠れれば、なんでも出来ました。
2014年の本日、お亡くなりになりました。
その前日、電話がかかって病院に駆けつけました。そして、亡くなりました。子どものように泣きました。呆然としました。この状態は5年ぐらい続きました。特に、最初の3年間は呆然としました。戸北先生の陰に隠れる生活を20年以上すごしたので、どうしていいのかわからないのです。
幸い、私が守るべき人が、私を守ってくれていることを実感できるようになってから、楽になりました。
人は、誰かの陰に隠れるしかありません。
本日、いっしょに線香を手向けました。
追伸 自慢します。直属の上司の悪口を一言、半句言わない職業人生って、いいでっしょ。