大学に27歳で異動しました。これまで35年以上大学教師をしています。大学教師は厳しい世界です。勝ち負けがハッキリする世界です。幸い、私は高校と同様に先輩に恵まれた。やんちゃな私が思い通りやっても、学内、学外からの攻撃に悩み・苦しんだ経験はありません。雑音は全部先輩達がシャットアウトしてくれました。私を守ってくれた先輩は、みんな幸せで、活躍していました。やがて分かりました。有能な若手を守ることは自分の幸せになる。
私は42歳で教授になりました。最年少でなれたのは先輩のおかげです。教授として身を守る術は、2つです。第一に、仲間を一分一秒でも早く教授にする。第二に、外部からの攻撃から守ること。
私は専攻の立ち上げをほぼ一人で担当しました。そして、20年以上コース長を務めました。だから、採用・昇任の人事に関わった件数は、人事担当副学長・学長以外では、ダントツの1位だと思います。
でも、同僚の承認、新規採用のためには管理職との、中長期の交渉が必要です。ゆっくりと、じっくりと、ねばりづよく。これって、かなり心理的負担です。しかし、それが私にとって得であることは、私を守ってくれた先輩から学びました。
本日、私の人生において、その手の仕事をする人の最後の人の案件が通りました。来年もコース・領域の長ですが、大きな案件はありません。気楽になりました。
来年は学部学生対象の授業は4回、大学院関係の講義は2つ。再来年は、大学院官営の講義は1つにします。
マッカーサーは「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」と言ったそうです。私は否定的な表現のように思っていました。しかし、もの凄くポジティブに感じます。退職後は、金を払っても関わりたいという人だけと関わり(つまり、分からん人とは関わらず)、あとは家内との時間で死ぬまで生きる。そんな未来が私には見えます。
消え去った人は責任はありません。あとは現役がやればいい。