年末年始に、次への抱負を書いています。
毎年書いているとおり、この先に何があるのかが分からないほど全速力で走っています。でも、それが続いていると、今は見えなくても、来年になれば見えるだろうという予想がつきます。
私は2年3ヶ月後に退職します。しかし、私の商品価値は上越教育大学の教授であることによって発生するものではありません。そもそもグーグル検索をすれば、「西川純」のヒット数に比べて、「上越教育大学」のヒット数は3分の1程度です。良い大学なので残念です。ということで、退職後も変化無いと思っています。
じゃあ、何するか?
時代が私に追いつくまで、ペースを押さえるべきかな、と思います。
私の著作の歴史を見れば、2010年のスタートブックの出版からしばらくペースが落ちています。その前後にある著作は、私の企画ではなく理科教育学関係の企画の一部を私が担当しているだけのことです。
スタートブックは教育書としては異例の発売数だと思います。しかし、それらは『学び合い』の素晴らしさを示していますが、具体的なテクニックやその理論が欠いています。そのため、それだけ読んで実践している人は、もともと『学び合い』の考え方を理解している人が成功するのです。
そのため、テクニックの部分をちゃんと説明する本を出したいと願いました。しかし、スタートブックをお世話していただいた方が、おめでたい理由で直ぐに対応できませんでした。私は直ぐにでも、と思いましたが、『学び合い』に思い入れのあるその方は、待って欲しいとのことでした。私はそれを受け入れました。そして、2年後にスタートブックが発刊されました。その間、ステップアップだけ読んだ人からのお悩みメールに奔走しました。毎日、相談メールが来ました。
その後、『学び合い』のテクニックに関する本が、続々、出版されました。アクティブ・ラーニングの流れの中で月刊、週刊レベルになりました。
『学び合い』はシンプルで、完成された授業方法です。
上越においでになる方から様々な質問を受けます。それに対して応えます。私のいないところでゼミ生に質問すると、全く同じ応えをするのです。それを応えているのは現場経験の無いゼミ生です。そのゼミ生が私と同じ次元で語るのです。ビックリされます。でも、当たり前です。数学や物理の問題の解答方法は、誰がやっても同じです。『学び合い』は理系の私が基本を積み上げているのですから。
授業方法の『学び合い』が完成すると、次を願います。そのためには幸せとは何か、これからの社会はどんな社会か、という問いが生まれます。そのための本を書きまくりました。幸い、イノベーターの方はお読みになりました。マジョリティに影響のあるアーリーアダプターのかたの反応が弱い。
私は子どもが不幸になること、教師が不幸になることが耐えられない。なやみます。
でも、仕方がない。私を分からない人が大多数なのです。それを増やす力は無い。それを出来るのはみなさんです。私は武器をつくっています。それをどう使うかはみなさんです。
私の頭の中には妄想が一杯あります。でも、多くの人には分からない。ゼミ生に話してもSFのように思われます。ま、そうでしょうね。時代が私に近づくまでまちましょう。