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姑息

文部科学省は2025年度から、最短2年で小中学校などの教員免許を取得できる教職課程を4年制大学に新設する方針を固めた。従来短大の教職課程で得られる「2種免許」を特例的に4年制大学にも拡大するものです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f57bef81fd695649499e0615f2cf1a2bad91d95d?fbclid=IwAR3GtHyhdNkZM3DjRKOY0LXFZ1Abt0XmliEBG-GGuYsi898ue6l7PhGqM2U

 もの凄く、姑息だと思います。

 教員免許状をお持ちの方に申します。

 中高の免許状は、ついでに取得できます。ただし、教科の専門科目を担当できる人を採用しなければなりません。その人の人件費を賄えるだけの入学者確保が出来るでしょうか?中学校の先生になりたいと思って短大を選ぶ人がどれほどいますか?仮にいて、その人達が4年制大学の学生と戦えますか?無理だと思います。だって、その教科の専門科目を学ぶ時間が段違いです。更に言えば、中学校の専門科目は大学入試レベルです。つまり、大学の偏差値に比例するのです。

 さらに、噴飯物なのは、小学校の免許状を出すという部分です。短大は今でも幼稚園免許を出していました。でも、小学校免許を出すとしたら中学校免許と違って全科のスタッフをそろえなければなりません。人件費の壁は10倍ぐらいになります。

 文部科学省が本当に免許を出す間口を広げるつもりならば、それは免許法を変えねばなりません。取得しなければならない単位数を大幅に減らし、読み替えの範囲を大幅に広げなければなりません。しかし、文部科学省の力の源泉の一つである免許法を手放す訳ありません。

 更に言えば、もし、免許法を改定したら、日本全国の教員養成大学・学部は潰れます。護送船団方式の文科省が出来るわけ無い選択です。

 つまり、「うちはやっていますよ」という、ポーズです。

 断言します。

 今の免許法の縛りの中で、小学校免許取得の目指した短大が生まれる可能性は限りなく低い。仮にあったら、それは詐欺です。まあ、可能性があるのは、実技科目でない国語や社会の中学校免許状の取得を狙う短大は生まれるかもしれません。数人採用すれば良いですから。でも、仮に取得できても、採用は難しいですね。

 私の指導教官の小林先生から教えてもらった文部省、そして、昔の文部省は華々しくなかったけど、やることはやっていました。プレス向けの実効性のない、姑息技は無かったと思います。