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サバイバル

 私が40代後半以降のゼミ生にとっては、私が戦っている姿は見ていないと思います。だって、私自身、戦っているという意識は殆どないから。まあ、詰め将棋をやっているようなもので、色々と考えて、色々とやりましたが淡々とです。それは社会での戦い方の経験知が上がったことと、私の職場における私の価値の周知によるものです。

 しかし、私に繋がる、多くの志を持っている人にとっては参考にならないでしょう。簡単に言えば、「西川先生だから出来るんでしょ」という解釈です。しかし、私が20歳代、30歳代、そして40歳代の殆どの期間は、そう思っている人とたいして違いはありません。

 20代、30代はひたすら力量のある先生方に繋がり、その影にいました。その方々に様々なアイディアを提案し、実行しました。表には出ません。学内政治に関しては陰でしたが、業績はフルスロットで出しました。

 40代後半で教職大学院の立ち上げがありました。大変でしたが、やればやるほど思いが結実します。

 そんなときです。危機がありました。

 ある同僚がいました。私はその方を教職大学院の立ち上げに際して教授に昇任させたかった。しかし、ある事情で「きず」がありました。そのことを気にした事務の担当者から、その方を教授候補から除外することを提案されました。私は反論し続けました。その時です。有能な若手(といっても私と同年代ですが)の事務の方が、今回をスルーして次に昇任すればいいということを言ったのです。しかし、「きず」の関係で、今回をスルーすれば、困難であることを知っています。だからカッとなりました(ゼミ生諸君、私は本来短気な人間だからね)。ほぼべらんめい口調で言いました。「俺は人の一生を預かっているんだ。俺は手を引く」と啖呵を切って、事務の部屋を出ました。大人げない、それは分かっています。しかし、仲間を守る、この一線を守れなければ、私の未来がないことも分かっています。

 結局、収まりました。私がいなければ、無理と言うことは事務の方も知っています。管理職が間を取り持ちました。大人ですから、その後はスムーズ。ようは、その方の教授承認は認められることは確認しました。でも、私の大人げない行動をフォローしてくれたのは、私が20代からお仕えしているボスです。ちなみに、私が怒鳴った事務の方は、事務の中で一番に仲良くて信頼している人です。私がエゴイストでないことを一番分かっている人ですから。今は、筋を曲げずにいたことが良かったと思います。でも、それは守ってくれた人がいたからハッピーメリーエンディングになったのです。

 で、ながなが言いましたが。

 今、40歳代前半のゼミ生諸君は、ガキの私を知らない。でもね、君たちと同じガキの時代がありました。その方々に対してのアドバイス。

 魂を売り渡すな。ようは、仲間を守りなさい。子どもを守りなさい。

 そして、それを若い自分がなりたたせるためには、中堅・ベテランに可愛がられなさい。