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時間単価

 屑みたいな学部時代を反省し、何かを成そうと思って大学院に進学しました。そして学問を志しました。最初にやったのは古典を読みあさりました。コメニウス、ヘルバルト、ペスタロッチ、ルソー・・・。約四十年前の明治図書はお堅い出版社ですので、そこで出版している本を読みあさりました。が、理学部出身の私にとっては吐きたいようになります。根拠無しの言明を根拠として、根拠なく言明を積み上げているのです。理学部出身の私は「その根拠はどこ?」と探すのですが、無いのです。ムカムカします。

 学部時代の指導教官は石坂先生です。毎日、レポートを出します。それを指をなぞりながら読まれます。石坂先生からは「この、そのとは何?」と聞かれます。私は、「ここにあります」と文章をしてきます。それは、「その」の数行先です。石坂先生からは、文章はそれまでの情報で分かる文章であるべき、と言われ、そのレポートをゴミ箱に捨てました。ワープロのない時代です。3時間ぐらいかけてボールペンで書いたレポートが、最初の数行でゴミ箱行きです。これにトレーニングされました。だから、教育の大学院に移ってからは苦痛です。でも、頑張って読みました。読めば、理学部出身の私には分からない、何かがあるのかと思ったのです。少なくとも私には見いだせませんでした。結果、安心して意味が無いと思えるようになりました。ま、私より優れた方には見えるのでしょうが、私には見えないことがハッキリしました。そのおかげで、古典に限らず、研究関係の本は最初の20ページぐらいでつまらなければ、やめます。時間は有限なのですから。

 最近、自分の変化を感じます。

 娯楽の小説・映画において、途中でやめる頻度が多いのです。私の基準が「面白いか?」ではなく、「生涯にわたって何度も繰り返してみたいか?」に変わっているのです。そうなると、百分の一以下になりますね。

 研究に関する読書の精選は、いかに効率よく業績を上げられるかに基づくものです。つまり、密度を意識しました。

 しかし、今は、自分の人生の有限性を理解しての行動です。でも、これって好きです。