私の理想とする社会とは、ホーガンの「断絶への航海」(https://amzn.to/3FTARRW )のケイロン社会。ホーガンはこの社会が成り立った理由として、親世代と断絶することによって偏見・憎しみがリセットしている。ロボットを最大限活用しているため、必要とするものは満たされている。この二つをあげています。だから、ゼミ生から『学び合い』でこのような社会が実現できるのか?と聞かれました。ホーガンの前提は事実上無理ですよね。でも、可能だと言いました。
偏見・憎しみを完全にリセットできなくとも、少なくとも中学校区レベルで、実際に学び合った集団ならば偏見・憎しみをリセットできます。その中学校区レベルの地域コミュニティーを少数のハブ的メンバーがつなげることが出来れば、大きな集団を創れます。
ロボットを最大限活用し、物質的にいくら満たされても「もっと」という欲望は際限ありません。他人より「もっと」という感情です。しかし、自分の幸せは何かを知り「足を知る」ことが出来れば、その呪縛から逃れられます。
ゼミ生からの質問の多くは「幸せ」なのです。ありとあらゆる方向からの質問に対して、根幹は揺らがずに応えています。実は幸せは身近なのです。
私は多くの本で、「一人も見捨てず」と書いています。分かり易いから。でもね、一人一人の幸せは多様なのです。その人の幸せに寄り添って、無理の無い範囲で関わることが自分にとって得である事を伝えたい。それから広がる世界観を伝えたい。
『学び合い』は授業論が最終形ではありません。生き方なのです。その生き方をした教師が授業をしているのです。