■ [親ばか]赤ちゃん本舗
連休中に長岡の「赤ちゃん本舗」に行きました。家内の実家が仙台にありますので、仙台に帰省したとき仙台店によく行きます。広いし、品揃えが豊富、それに何より質のいいものが安く手に入ります。つまり、バカ安い品をおいてある店はありますが、他店では質が高く、そのため高額な品が、お手ごろな価格になっている店はなかなかありません。上越の子育て雑誌によれば、長岡店は全国の支店の中で最も大きい店舗だそうです。
高速を降りて5分ほどで到着。子育て雑誌にあるとおり、仙台店より広く、食堂と小さな遊園地も併設されていました。入ったとたん息子は興奮状態で玩具をさわりまくりです。私は息子のおもりを担当、家内は買い物担当で別れました。店内を走り回る息子を、ひたすら追いかけておりました。店内には私と同じようなお父さんがいっぱいです。
不思議なもので、お互いにちらっとは見るんですが、気づかないふり、見ないふりです。考えてみれば、「あ~ら、お宅のお子さんおいくつ?」なんて男同士で話し合う姿、想像できませんよね。ところが、ピンと緊張するときがあります。それは、それぞれの子ども同士が同じ玩具を遊ぼうとするときです。そうなると、どちらかが「もういっぱい遊んだから、お兄ちゃんに遊んででもらおうね」なんて、わざと大きめな声で話しかけ、子どもを玩具から引き離します。本当は、取り合いをさせ、喧嘩をさせた方が学ぶことは多いと思うのですが。親同士、大人同士が面と向かい合っている状態ではやりにくいものです。保育園、幼稚園で親から 離した状態で、子ども同士を群れさせることは大事なんだなと感じました。同時に、保育園、幼稚園は親の代わりではなく、親とは別な役割があるんだと理解し、「私の○○ちゃんに、何をしたの(しなかったの)!」と怒鳴り込むことはするまいと思いました(でもするかも)。
追伸 赤ちゃん本舗で1750円で買った息子の靴を上越の靴屋で見かけました。値段は2500円でした。夫婦で同時にガッツポーズです。
■ [親ばか]ピアジェと私
教育研究をするものにとって子育ては絶対必要のように感じます。子どもと関わっていると、実に多くのことを学びます。まさに学習臨床的な研究が出来ます。子育てによって偉大な研究を成し遂げた研究者として、まず、ピアジェが挙げられると思います。知の巨人であるピアジェと私を比較するのは非常におこがましいのですが、かってピアジェをかじった一人として、彼が書いたことと私の見ているもののギャップを日々感じています。
彼と私との違いを理解するためには、時代背景を考えなければなりません。ピアジェが育ち活躍したのは20世紀前半です。その時代は、物理学が多方面に飛躍した物理学の時代です。現象を抽象化し、数式で表すことが大成功を治めました。そのため、彼の理論は発達を抽象化し、代数学の群論、体論を参考にした発達理論をうち立てました。
さらに、ピアジェがもともと発生学者であったことを忘れることは出来ません。ウニの発生を大学生の時見ましたが、感激ものです。たった一つの受精卵が、分割し、変形し、全く違った複雑な構造をもつ姿は大自然の神秘です。それを研究したピアジェが、大人と子どもの違いを見たとき、受精卵の発生に対比したことは想像に難くありません。そのため、子どもは大人とは全く違った、単純なものだと想像したと思われます。しかし、ピアジェ以降の多くの心理学者が証明しているように、実際は子どもは大人並の複雑さを備えています。実際、息子を見ていると、本当に複雑だなと思います。息子はおだてに乗りやすいタイプで、誉めると本当に一生懸命になります。やり終えると、私や家内をひっぱてきて、指さしながら自分の成果を誇ります。誉められると、全身で喜びます。これらの行動を代数学の群論で表現できるなんてとても思えません。
つまり、ピアジェと私の違いは、子どもの能力を大人並に評価するか否か、また、最終的に物理学的な表現にしようとするか否かのように思います。