■ [発見]日本語って面白い
私のメモの中に「親バカ」のように「○○バカ」という表現を使います。それを読まれた方から、「親バカはいいけど、バカ親は困るね」とのコメントをいただきました。思わず納得。教師家業をやると、少なからずのバカ親に遭遇します(私自身も自分の子どもに関してはバカ親になると思います。自分の子どもですから。)。でも、私が感激したのは、ちょっと語順を換えただけで、意味ががらっと変わる日本語って面白いなと気づいたためです。
■ [ゼミ]夢にまで見る指導教官(その7)
息子の寝顔はチョー可愛い。どんな夢を見ているのかな~と思います。しかし、息子がしゃべれるのは「ウッブー(車の意味です)」の一言です。そのため、息子にどんな夢を見ているか聞くことが出来ません。しかし、「ウッブー」という寝言を言うことがあります。少なくとも、その時は、大好きな車の夢を見ているのだと思います。
本日の昼飯の時、院生のYさんがニコニコしながら、「僕も先生の夢を見ているんだと思います」と言われました。Yさんによれば、私のところに報告に行かなければならない時があったそうです。その日の朝に、奥さんから「昨日は凄くうなされてたよ」と言われたそうです。私が出たという記憶はないそうですが、「きっと先生が出てうなされてたんだと思います」とYさんは推論されていました。
悲惨な幼児体験をした人は、その記憶を意識下に秘めることによって、自分の心の健全性を保つそうです。きっと、Yさんの夢の中に出た私は「恐ろしい」姿だったんでしょう。そのため、朝の記憶にも残らなかったのだと思います。いったい、どんな姿だったんだろう~。でも、「うなされた→私が出た」という推論も、ものすごい推論です。大笑いしました。
■ [ゼミ]論文の書き方
本日、ある院生さんから「私の書きたい○○を、論文をどのように書いたらいいのでしょうか?」という質問を受けました。同様の質問を、卒論作成で必死になっている学部学生さんからも聞きます。それに対する私の返答は、「人が分かるように書いてください」ということに尽きます。
学部学生さんの全体ゼミでの発表を聞くと、気になることがあります。発表内容のレベルは、大抵は、ある一定以上のレベルを超えているので文句はありません。しかし、部分、部分を見ると、「分かりにくいな~」と思うときがあります。大抵の場合、そのような部分は他の学生さんや、院生さんが質問されます。そうすると、色々な事例や、数値を上げながら、発表者の学生さんが返答します。その返答の内容は、本当に素晴らしいものです。同時に、「そんな素晴らしい事例や、数値データがあれば、何でそれを使って説明しないの?」という気持ちが起こります。本当に不思議です。でも、今日、院生さんと話し合っているうちに気づきました。
学部学生さんは、何か決まり切った研究の書き方(というより型)があり、それに言葉を埋め込めば、良い論文が出来ると思っているんではないかなと感じます。そのため、先輩の論文などを参考にしつつ、「研究の型はこんなもんだろうな~」と推論し、その型に当てはめて発表するのだと思います。ところが、そんな他人様の論文から推論した型は、お茶で言ったらば出涸らしです。たしかに研究っぽいんですが、大事なところが抜けています。
研究というと、何か難しげで、近づきにくいような印象を持ちます。そのため、それを知ってそうな研究者(つまり私)に相談したい気持ちになるのは当然だと思います。しかし、研究というのは「人に分からせる」ことが大前提です。まず、自分の常識で、「どうやったら分かってもらえるか?」ということを考えることが最初です。大抵の場合、自分で考えたものであっています。だからこそ、学部学生の発表において、質問を受けたときの答えが、実に分かりやすいのです。自分が考えた分かりやすい説明が出来上がった後に、どうやったら研究としての書式に合わせられるかが来ます。つまり、「研究の型、それによって分かりやすくなる」ではなく、「分かりやすい、それを研究の型に微調整する」という順序となります。