■ [親ばか]子を持っての私の変化
私の研究室のそこかしこに息子の写真があります。それを見た学生さん・院生さんからは「息子さん可愛いですね」と言われます。それに対しては、「よく目に入れても痛くないと言うけど、私の場合は、目の奥に入れてグリグリしても気持ちいい、だよ」と答えます。大抵の場合、呆れられます。
我々の興味・関心は、瞳孔の広がりに現れます。例えば、男性の場合は女性ヌードを見ると瞳孔が広がりますが、男性ヌードでは広がりません。女性の場合は、逆となります。赤ん坊の写真を見せると、女性の瞳孔は広がります。一方、男性は広がりません。しかし、その男性も自分の子どもが出来ると変化します。自分の子どもが出来ると、他人の赤ん坊を見ても瞳孔が広がるようになります。
私も変化がありました。一番大きいのは、児童虐待のニュースに対する反応です。以前の場合は、児童虐待のニュースを聞くと、ムカムカと怒りがわきますし、可哀想になり泣いてしまうことがあります。しかし、自分の息子が生まれてからは、ニュースを聞くことが出来ません。アナウンサーが事件の説明をし始めると、とたんに自分の息子に置き換えてしまい、耐えられなくなります。だいたい10秒程度でチャンネルを変えてしまいます。
つまり、私の変化とは、どの子であっても自分の息子に置き換えてしまうようになってしまいました。男性が自分の子どもを持つと、赤ん坊の写真で瞳孔が広がるのは、その写真の赤ん坊を見て瞳孔が広がるのではないように思います。きっと、無意識に自分の子どもの姿を思い出し、瞳孔が広がるように思います。