■ [大事なこと]理系
理系、文系、実技系というおおざっぱな分け方があります。そして、理系はある種の敬意と同時に、「変なやつ」という偏見があるように思います。でも、理系とおおざっぱに分類されますが、明らかに二つに分かれます。それは、数学、理論物理学、理論化学、理論生物学、理論地学と、実験物理学、実験化学、実験生物学、実験地学に分けられます。実験生物学、理論地学というのは一般的ではありませんね。明らかに生物学、地学のほとんどは実験生物学、実験地学だし、理論地学はほとんど理論物理学です。だから、数学、理論物理学、理論化学(以下Aタイプ)とそれ以外の科学(以下Bタイプ)と分けられるでしょう。
文系の人からは、大づかみ理系と言われます。確かに、扱う道具立て(例えば数学や記号)は共通している部分があります。でも、両者の人種は全く違います。端的に表れるのが、実験に対しての好悪です。Aタイプの人は実験は嫌いです。Bタイプの人は実験は好きです。おそらく、Aタイプの人は文系の人より実験は嫌いです。理系の人はシンプルな法則が好きです。ただし、Aタイプはシンプルな法則の世界の中で浸るのが好きで、ごちゃごちゃは嫌いです。Bタイプの人はごちゃごちゃした中からシンプルな法則が生み出されるものが好きです。
私のもともとの出身分野である理科教育学での経験によれば、理論物理学と最も近いの文献研究です。文献研究は文系の典型のように思われがちですが、実は理論物理学に最も近いようです。事実、理論物理学で学位を取った方 が、その後、理科教育学にシフトした場合、それらの方の多くは文献研究をする場合が多いように思います。私は修士課程の一時期、文献研究に浸ったことがあり、かつ、学部に数学に浸ったことがあります。両者には、煩わしさから離れて、狭い自分の空間の中で完結し、頭の中で研究が進む共通点があります。ある一定を越えると非常に快感に感じます。一方、Bタイプは、絶えず外部との交渉が必要です。煩わしく思えることも少なくありません。でも、逆に、外部からの情報の援助を得ることが出来ます。それが楽しい。
おそらく、理系、文系の分け方よりも、理論系、実験系の分け方の方が実際的に思えます。
追伸 ちなみに私は理論系の楽しさを理解できるものの、私の頭の中だけで満足する結果を得られる才能はありません。他からの情報を収集しながら、自分で納得する方が性に合っているのだと思います