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2006-11-20

[]点数 17:48 点数 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 点数 - 西川純のメモ 点数 - 西川純のメモ のブックマークコメント


 最近、私は講演会で成績が上がる、点数が上がることを強調しています。また、メモでも意識して書いています。それに対して、我が同志より『授業の評価を単にテストの平均点の上昇で語るのはちょっと違う気がします。』というメールを頂きました。同志であればこその気持ちであり、この方以外にも感じてられる方も多いと思うのでメモります。

 言うまでもなく、我々の目的人格の完成であり、テストの点数ではありません。しかし、それでもテストの点数を強調するのは理由があります。第一に、教師とともに子どもに対して分かりやすいこからです。教師に学習の成果を語るとき、点数が最も分かりやすいものの一つであることは論を待たないでしょう。それ以外の様々な成果を上げても、「でも、成績はどうなの?」と聞く教師は多いと思います。でも、それだけではありません。学び合いが成立するか否かで最も重要なのは課題であることは同志の方は了解していると思います。でも、どんな課題であるべきなのでしょうか?絶対に重要なのは、子どもに分かることでなければなりません。子どもに分からんことを課題に与えても、何をすべきなのか分からず、結果として学び合いが生じません。その意味で「点数」というのは非常に分かりやすい。ただし、受験オンリーの塾・予備校と違うのは、「みんな」の点数ということを求める点です。その1点で大きな違いが生じます。

 そして、最後に自分に分かりやすいという特徴があります。適切な課題を与えて、子どもたちが学び合えば、教科学習においては点数に必ず現れます。このように断言出来ることは、本当に学び合っている子どもの姿を知っている同志の方であれば分かるはずです。己の実践を反省し、改善する指標として、点数は分かりやすく、それゆえ言い訳出来ない指標です。

 人格の完成に比べれば、点数は一つの指標にすぎません。でも、同時に「会話数」、「会話時間」、「会話の質」、「グループ構成」等々、我々が様々に捉えてきた全ての指標も、人格の完成に比べれば一つの指標にすぎません。それらはえり好みせずに、有効に利用したいと思っています。