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2007-07-21

[]見えた!の補足 22:05 見えた!の補足 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 見えた!の補足 - 西川純のメモ 見えた!の補足 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 今日は一日、家族旅行佐渡に行ってきました。

 さて、昨日のメモを補足します。おそらく、全国で自校を洗脳しようとする同志に関係あることなので、早急にメモることにしました。Sさんの研究は非常にシンプルで、ある意味、既に我々が知っていることなのです。

 「忙しい!を誰も言わない学校」で紹介している山田さんの研究にあるとおり、1学年で集団を形成すると無関心ケースが起こりやすく、2学年だと強制ケースが起こりやすい。3学年以上で集団を構成すると、経験交換ケースが生じやすい。3学年以上で集団を構成すると、大抵、最上級生は「ご隠居さん」的になります。そして中学年が低学年を指導します。お隠居さんが後ろに控えているので、中学年もご隠居さんに遠慮して高圧的にならない。また、ご隠居さんが後ろに控えているので、責任が少ないので高圧的になる必要性がない。低学年もご隠居さんが後ろで控えているので、圧倒的な絶対者と中学年を捉えない。だからなんです。

 Sさんの研究で、Sさんがある先生に『学び合い』を伝えている会話を分析しました。その結果、強制ケースなんです。もちろん、当たりは柔らかいですが、内容は強制ケースなんです。この場合は2学年と言えますので、山田さんのセオリー通りです。ところが、Sさんと、Sさんが『学び合い』を伝えた先生(Aさんとしましょう)と、『学び合い』を知らない先生(Bさんとしましょう)の会話を分析しました。その結果セオリー通りにSさんは発言をしません。主にAさんとBさんの会話です。そして、その会話は経験交換ケースなんです。

 そして、強制ケースで説得した人は、『学び合い』が定着しない。ところが経験交換ケースで説得した人は、『学び合い』が定着することを明らかにしています。つまり、『学び合い』を伝えるとしたら、色々な人と一緒にやるべきであることを示しています。

 上記は既に知っていることです。ところが、それを教師同士の『学び合い』の説得(洗脳)に生かし切れていなかった。まさに目から鱗です。考えてみれば、何故、新院生洗脳されるかが分かりました。それは私の力ではない。私との個人ゼミでは論破は出来ても説得は出来ない。重要なのは、修士2年の存在です。私、修士2年、修士1年(形を変えれば、私、学部4年、学部3年)が3学年を構成してるからです。逆に言えば、我がゼミOBが自校の説得に手間取る理由も分かります。おそらく、私と同じに説得しようとしているのだと思います。しかし、それは駄目です。重要なのは中学年に対応するメンバーを育てることです。ただし、中学年を育てる方法を1対1でやっては駄目です。だって、そうすれば強制ケースになってしまいます。どうするか、多くのメンバーに同時に伝えればいい。そうすれば、自ずと『学び合い』に親和性の高い人、低い人が生まれます。あとは、自分がいつの間にかご隠居さんになればいい。

 分かってしまえば、本当に簡単なことだ。なんで、こんな事が分からなかったんだろう。私は本当に愚かです。あはははは