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2007-08-16

[]専門職 17:59 専門職 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 専門職 - 西川純のメモ 専門職 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 かなり前のメモ「教師にむいている・むいていない」を書く際、調べて驚いたことがあります。その当時の統計によれば、小学校先生の数が41万人、中学校先生の数が26万人で、高校先生の数が28万人、4年制大学先生の数は29万人です。そして医師の数は24万人ぐらいです。数から言えば、小中高の先生は、大学教師そして医師と同じ人数です。

 有能な教師の方から、専門職になろうともがいていたことを聞きました。私から見て、その人は専門職です。だって、素人には達成できないレベルの授業が出来ますから。ところが、そのような方が、自分の専門性に不安を持っています。ところが大学教師の中で、自分の専門性に不安を持っている人がどれほどいるでしょうか?不遜ながら言います。わたしが大学院生だったときの学問業績に達していない、大学教師は日本中に山ほどいます。そして、その実体を一般人は知りません。本日、ふと、何故だろう~、と思いました。色々考えましたが、開放性免許制度のためのように思えます。

 戦前の教員養成の反省から、あらゆる大学で、一定の免許科目をとれば教員免許が取れるようにしたのが開放性免許制度です(ここでは、その是非を議論しません。)。その結果として、実際の教師の人数の十倍以上の免許取得者がいます。ところが、医師免許は開放性ではありません。医師の数と医師免許取得者の数は、限りなく同じです。つまり、24万人しかいません。大学教師の多くは博士課程に入学した人です(必ずしも修了しているわけではありませんが)。博士課程に入学する人は、やはり、ごくごく一部です。

 博士課程や医学部は多くの人にとって未知の世界です。ところが、教員免許の取得は広く知られており、実際に取得している人も多く未知ではありません。小中高の教師の専門性が、広く認められていない理由は、おそらく、そんなところが原因のように思います。う~ん