■ [大事なこと]志
どんな職業でも、その職業に志を失えば輝いて働くことは出来ません。逆に、輝きを失う時によって、その人の志の鼎の軽重が分かるものです。大学人でもそうです。学校現場で教師をしつつも学問に邁進し業績を上げている人はいます。ところが大学の教員として採用されたとたんに、輝きが無くなる人がいます。それを見れば、「あ~、この人の志は学問にはなく、大学教員になるための手段だったんだ」ということが分かります。また、学会に名をはせていたのに、教授になったとたんに、輝きが無くなる人がいます。それを見れば、「あ~、この人の志は学問にはなく、教授になるための手段だったんだ」ということが分かります。
残念ながら、輝きを失っている小中高の教員は少なくありません。代表的な姿としては以下の3つあります。
第一は、教師はそこそこにして、家庭人であることに志を持つようになります。そして、経済的に許されるならば、教師を辞めます。
第二は、部活に志を持つようになります。しかし、教師の仕事は部の指導ではありません。平常の授業です。ある意味で、このタイプも教師を辞めた人と言えます。
第三は、管理職に志を持つようになります。このタイプの中には、また輝く人と、そうでない人がいます。それは管理職になって何をしたいという志を持っているか、それとも管理職になるということ自体が志になってしまうかです。
私は全ての教師に志を回復して欲しいと願います。
■ [大事なこと]真剣勝負
私は我がゼミ生とは真剣勝負をしますが、それ以外の方とは基本的にはしません。何故なら、それを望んでいないと思っているからです。だから、大学の授業も、講演会でも、飽きさせない、そして啓発される内容を含んだ話をしますが、真剣勝負はしません。でも、私の講義を最後まで聴いてくれるような方とは真剣勝負がしたいと思います。
真剣勝負の内容は、「『学び合い』より従来の授業が優れているところは何か?」です。これに関して、受講生から受けるであろう太刀筋は、見切れる自信があります。おそらく無意識で受け流せるでしょう。しかし、油断は大敵です。満身の力を込めた一撃があるかもしれません。楽しみです。でも、残念ながら多くの場合、本気で打ち込むことはありません。せいぜい「学校教育には躾も大事だ」とか「若い教師が実践するには周りの抵抗が多い」とか、手引き書の完全版に対応が書かれているレベルの打ち込みだと思います。もし、そんなレベルであるならば、私は満身の力を込めて、以下のように打ち込みます。
「みなさんは志を持って、教師という職を選んだはずです。その志を失えば、これから数十年の教師人生をどのように生きるのでしょうか?「『学び合い』より従来の授業が優れているところは何か?」という問いかけではなく、別な問いかけをしたいと思います。それは「あたなの志は何ですか?そして、あなたが持っている志を実現するに、『学び合い』より従来の授業が優れているところは何ですか?」
相当、気に触る問いかけです。こんな真剣勝負は基本的にゼミ生以外にはしないのは当然ですよね。だから、授業や講演会ではそれを避けています。