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2010-03-03

[]北海道 22:56 北海道 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 北海道 - 西川純のメモ 北海道 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 機は熟しました。

 http://bit.ly/9bnO1q

 お誘いします。

[]多くの同志が必ず通る道 09:15 多くの同志が必ず通る道 - 西川純のメモ を含むブックマーク はてなブックマーク - 多くの同志が必ず通る道 - 西川純のメモ 多くの同志が必ず通る道 - 西川純のメモ のブックマークコメント

 ある同志よりメールが来ました。かつて私がアドバイスした方です。多くの同志が通った道であり、多くの方が通るであろう道です。

『私は、今6年生の担任です。子どもたちは、5年生の時から●●先生の『学び合い』の社会授業を受けてきていました。子どもたちの「社会が楽しい!」の声に、授業参観をさせて頂いたところ、子どもたちが本当に楽しそうに自ら学んでいる姿を目の当たりにしました。特に、多動傾向のあるA君が、私の授業とはまるで別人のように生き生きと学んでいる姿を見て愕然としました。

 「自分のこれまでの授業ではだめだ。これは、なんとしても『学び合い』をやらなければ」と感じ、6年生1学期の途中から『学び合い』を本格的に他教科でも始めました。『学び合い』を始めてみると、自分がいかに今まで子どもたちを自分の勝手な枠の中に閉じ込めていたのかと反省することが多々ありました。感動するような場面にもたくさん出会いました。算数が大嫌いだった子も、「算数が好きになってきた。だって分かるようになったもん」と言ってくれました。「友達が分かってくれてうれしい」と言う声もたくさん聞かれました。思い切って踏み出してみてよかったと思いました。

 そして、3学期。これまで、子どもたちは、『学び合い』のよさも感じていましたし、彼らなりの『学び合い』をしているように感じていました。実際に、子どもたちの中には、「成績が上がった」と実感している子もいました。だから、もちろん、最後まで『学び合い』の考え方でいこうと思っていました。でも、算数のまとめの時期に『学び合い』をよりよくするために・・・と思って話し合いをし始めたら、「一斉授業の方がいい」という意見が子どもたちの中から出されてしまいました。私は最初に「口は出さない」と話していたので、子どもたちの様子をだまって見ていました。

 私が話し合いの目的をきちんと伝えなかったことにも問題はあったと思います。でも、どちらにしても、これは、本当にショックなことでした。確かに、中学校へ授業参観にいった直後でしたし、ひたすら教師の話を聞く授業を見せられたら、「一斉授業に慣れたい」という意見が出るのもなるほどなあと思いました。それから、そのような意見が出たことに思い当たる節もありました。それは、2月に私が、いろいろと画策して作成した算数のワークシートがうまく機能せず、学び合わせるためのワークシートになってしまっていたということです。学び合うことが目的化してしまい、子どもたちが地に足の着いた学習ができず、不満感を与えてしまったことにも原因があったと思います。

 もちろん、『学び合い』がいいと言っていた子もたくさんいます。意見もなるほどとうなるような、うれしくなるような意見が出ました。自分だけでなく、周りのことを思いやれる子が増えたことに、とてもうれしくなりました。でも、一部の子からは「先生が教えてくれた方が分かる」という意見が出されました。これは、自分のことしか考えていない意見です。でも、そういう学級経営をし、子どもたちをそういう考え方に導いたのも自分だと思いました。今まで、自分は何を語ってきたのか、情けなくなりました。

 どうしていいか分からず、●●先生にもご相談しました。でも、結論が出ず気持ちの整理もつかないまま、次の日に。子どもの前に立つのがなんとなく苦しいと感じました。そして、西川先生からのメールのことを伺いました。(●●先生が私にメールをしました。私は語りが弱いと見立て。語ることを勧めました。)やはり、自分が悪いのだと、深く反省しました。

 子どもたちに、私の正直な気持ちを話しました。みんなの話し合いを聞いていてとてもショックを受けたということ。みんなからそういう意見が出るということは、先生がきちんと伝えてこなかったから悪いのだということ。涙が出てきてしまいました。自分が情けなくて。子どもたちに申し訳なくて。そして、語りました。

・どうして、『学び合い』をしようと決意したのか。

・『学び合い』を通して、何を身につけて欲しいと願っているのか。

・一斉授業に戻すということは、「分からない友達を見捨てる」ことになるということ。

・『学び合い』で、きちんと学力があがるということ。

・子どもたちが『学び合い』で、どんな成長をしてきたのか・・・など。

 思い起こせば、私はやはりこの部分が弱かったのだと思います。

言葉は足りなかったかもしれませんが、自分のできる精一杯を話したつもりです。そして、最後に、子どもたちに今考えていることを正直に書いてもらいました。

 すると、子どもたちは次のようなことを書いてくれました。

・先生の思っている『学び合い』についてそんなに深く考えたことがなかった。学び合いをなめてたと思った。

・自分のことしか、考えていなかったことに気づいた。

・もう一度『学び合い』をやってみようと思った。

・みんなでもっといい学び合いをしてみたい。

・全員がわかるできるようになりたい。

・プレッシャーもあるけれど、「自分が」じゃなく「みんなのためにがんばれば!」と思った。

・改めて『学び合い』のよさが分かりました。

・先生の話を聞いて、『学び合い』で未来が変わるとおもった。

 子どもたちは、本音を書いてくれたと思っています。プレッシャーを与えてしまって申し訳なく思ったりもしました。でも、読んでいるうちに、子どもたちの言葉の一つ一つに、また涙が出てきました。子どもたちの中には「先生がそこまでいうなら」と仕方なく同調している子もいるかもしれません。それに、「やっぱり先生に聞いて分かる人もいると思うから『学び合い』+先生に聞くというのもいい」という意見も出ました。それは、素直に受け止めたいと思いました。

 その後、私は子どもたちに、このみんなの感想を読み上げました。子どもたちは真剣に聴いていました。結局、今まで通り『学び合い』を続けていくことになりました。ただし、「先生もどんどん活用していいよ」と話しました。それが、現状でできる私とあの子達の『学び合い』なのだと思います。

 西川先生、こんな中途半端な『学び合い』ですみません。残りわずかな時間のことを思うと、今回は、そうすることにしました。

 今回のことを通して、自分自身のなかにも『学び合い』に対する甘さがあったと気づきました。できているつもりでいたのだと、痛感しました。自分に足りないものが今回よく分かりました。こんな未熟な私ですが、この経験をバネに、これからも『学び合い』を続けていきたいと思います。

 長くなって、申し訳ございません。最後までお読み頂きありがとうございます。どうか、これからも、ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。』

 私のレスは以下の通りです。

 『もうお分かりですね。子どもは教師の心の鏡、何か問題があったときには、自分の心を問い直しましょう。次に、解決策を出せるのは子ども達であって、教師ではありません。教師の仕事は、解決する意義を納得させることです。あと僅かですが、これからでも出来ることがいっぱいあります。』

 『学び合い』はシンプルです。だから、教師の心がダイレクトに伝わりますし、子ども達はダイレクトに表現します。それは、教師には辛いことがあります。でも、わかりやすから自己改善が出来、クラスが良くなります。従来型指導にすれば見にくくなりますが、問題は解決せず、見捨てられる子どもはそのままです。給料をもらっているのは我々です。なんとしても踏ん張らねば。辛ければ同志に愚痴をはけばいい。何よりも子どもに語って下さい。