■ [大事なこと]ブレンド
『学び合い』は過激に思うのが、ごく普通の常識的な、そしてまともな教師の反応です。私だって、二十年前だったら、そう思った。そして、多くの教師は、『学び合い』の可能性を理解したとき、バランス感覚をもって『学び合い』を取り入れたいと思うのは当然です。でも、それは『学び合い』を方法としてとらえているのです。
教師は様々な方法を、その場その場において選択し、加工し、実践します。かく言う私も、講演会ではバリバリの従来指導でやっています。聴衆に一瞬の隙も与えず、ぐいぐいと引っ張り込んで1時間半以上の時間を構成しています。だから、方法に関して、バランスをとって、ブレンドしてやることはOKだと思います。でも、その一つ一つの方法を選択し、加工し、実践している人が、どのような考えで、それを行っているのでしょうか?『学び合い』の本体は、どのように選択し、加工し、実践するかを判断する基本方針なのです。そして、『学び合い』では、短い言葉で表現できる、たった二つの言葉に集約できます。そして、迷ったとき、その二つの言葉に戻ることが大事だと考えています。
方法はブレンドできます。でも、考え方はブレンドできません。
民主国家においても、専制的な運用はあり得ます。でも、基本は民主主義です。基本が専制的な国家においては、民主的な運用はあっても、どこまでいっても専制的です。それが考えです。
このことはなかなか分かってもらえませんが。